第3話 お買い物
「こ、今度一緒に買い物とか行ってみない?」
と日向は勇気を出して言ってみた。
「うん!いいよー!今ね、丁度欲しい物たっくさんあるの!」
と志保は思いのほか喜んだ。そしてカバンからチラシを取り出し、じーっとチラシを眺めている。
「あ、お砂糖198円…!?安い、安いぞ!ん…?こっちのお店はお米安い!」
とチラシを見ては欲しい物に丸を付けていくのだ。ショッピングモールに行く気だったのだが、このままだとスーパー巡りになりそうだ。
「あ、えっとショッピングモールに行こうかなと思ってたんだけど…。」
と日向は言ったが、志保はチラシを見るのに必死で全く気付いてない様だった。
「じゃあ土曜日の2時でいい?」
いつの間にか日付まで勝手に決まってしまった。
こうして土曜日になってしまった。志保は動きやすいジャージ姿で現れた。本気で買い物する気のようだ。心なしかいつもより気合が入っているようにみえる。そんなに買い物が好きなのだろうか。
「じゃあまずは…」
と最初に行ったのはコンビニである。今どきのコンビニには意外と野菜が売られているコンビニが沢山ある。そして野菜を物色していく。
「も、持とうか?」
と日向は言う。荷物を持つことで好感度をあげようとしたのだ。しかし志保には逆効果である。
「やだ。自分でも持ちたい。じゃないと買ったって感じしないもん。」
志保は意外と力持ちなのである。そのままスーパーに寄り、また食料品を買った。日向もついでにお菓子を買った。
「荷物持とうか?」
と日向は逆に言われてしまった。
「大丈夫」
と答えたが、日向は勝手に荷物を持ってしまった。おかげで志保の両手は荷物だらけである。日向は全く志保の気持ちを理解出来ていないようだ。
「私お腹空いちゃった。カフェ行く?」
と志保は言った。
「いいね!」
と日向は喜んで答えた。さて志保は一体何を食べる気なのだろうか…。ひっそりと隠れたお店に入って行く。時間ももう3時になっていた。ちなみに2人ともお昼ご飯は食べている。
「このパフェください。」
と日向はパフェを頼んだ。のだが、志保は
「ハンバーグセットください!」
とまさかのご飯系である。
「私ね、お昼ご飯もしっかり食べたんだけど、パフェとか甘い物の気分じゃないからハンバーグにしようかなーって思って。」
志保は気分で生きていると言っても過言ではない。全ての活動を決めるのは気分である。料理が届くと美味しそうに食べていく。とても日向が想像していたお買い物ではないが、志保が喜んでいるようで嬉しいようだ。食事を終えた後、そのまま解散して行った。
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