ポストアポカリプスの世界観を凝縮した掌編。
東京の大半は灰燼に帰し、象徴的な摩天楼はこの先の未来を憂う。
ディストピアという名の破滅に向かう退廃美。そこへ小さな生命として描く野良猫がとても印象的で、終末世界との親和性を私たちに訴えかけてくる筆力に陶酔してしまう心地を覚えます。
1分で読める創作小説への投稿作品は明るい作風が大半を占め、多くはハッピーエンドを迎える中、本作のような硬質でダークな世界観が負の引力のごとく引きつけ、深い余韻を残すのも一興というもの。
他作とは一味違ったSF掌編に魅せられませんか?