BL習作 番外編 知人の恋

BLと言えば。


同僚の恋人が、対面鑑定の店舗に来た時の話をしたい。ちなみに私は占い師である。


彼は常に私たち占い師を相手に彼氏の愚痴をこぼしていた。お客様がいらっしゃっている時以外は、彼はずっと喋っていた。とにかくよく喋る男なのだ。


彼曰く恋人は、「とてつもなくモテる」男であり、彼は恋人に「いつも浮気されて」いて、


でも「とんでもなく魅力的な彼からは離れられなくて」「毎日泣きながら付き合っている」そうだ。


彼は(口さえ開かなければ)見目麗しく背の高い色男風なので、


その恋人なる人はどれだけの「いい男」なんだろうねと、下衆な私たちは勝手にその姿を妄想し、一度見てみたいねと噂していた。




ある日、その日はやってきた。


大昔、『薔薇族』だったか、『アドン』だったか、もしかしたら他の雑誌だったのかはもう忘れてしまったのだが、授業中に雑誌が回覧されたことがあった。ちなみに私は女子校に通っていた。


雑誌のグラビアページには


「太めモジャ毛の熊太郎とポテおじさんの休日」


と見出しがあり、まさに熊太郎な男と、お腹がポッテリ出たバーコードヘアのおじさんが激しくまぐわう写真が掲載されていた。


どのくらい衝撃を受けたかと言うと、今でもそのページをありありと思い出すことができる位、だ。



そして、私の前にはそのポテおじさんがいるのだ。


ポテおじさんは彼の名前を私に告げた。


予約のお客様かと思い、私は普通に彼にポテおじさんが来たことを伝えると、彼はあからさまにウキウキしながら、彼ピが来た♡と言った。


彼ピ?


彼は、ポテおじさんの姿を確認すると、

「私、ちょっとお先に休憩いただきまぁす♡」


と言って、お財布片手に店を出て行ってしまった。


私は動揺した。

彼が休憩を勝手に取ったことに、ではなく、あのポテおじさんが、あの彼⁈


偏見である事はわかっているが…わかってはいるが。


あのおじさん、モテるんだ。浮気しまくりなんだ。

へえ。


当然(⁉︎)私は他の同僚にこの事実を語った。


私たちの結論としては、ポテおじさんはおそらく、どんな男もメロメロにするフェロモンを放っている上に、おそらく凄テクの持ち主なのだろう、と言う結論に落ち着いた。


なぜなら、2時間後に帰ってきた彼の肌艶が、恐ろしく良くなっていたからだ。


でも、今改めて冷静に考えてみると、ポテおじさんはグラビアページになる位だから、あの界隈では非常にモテるタイプなのかもしれない。


もしかしたら、だけど。




















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BL習作…書いてみました。1分で読める創作小説2025 専用三部作+α。お願いです。ハーゲンダッツください。 しゃもこ @syamcoHEIZAN

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