蜘蛛

　もう二週間ほどになるだろうか、洗面所の天井に蜘蛛が張り付いている。いつ見てもそこにいる。手を洗っているとき、洗濯機に服を放り込むとき、着替えているとき、いつ見てもそこにいる。ふと目が合う。椅子を持ってきて、天井に手を伸ばしてとるという作業が面倒で、そのままにしてしまう。

　暗い黄土色の蜘蛛。もちろん、足は八本。最初は足も含めて1センチメートルもなかった。

　それが、段々と大きくなってきているような気がする。気のせいかもしれない。けれど、確かに最初見た時よりも全体的に大きくなっていると思うのだ。

　いつ見てもそこにいるのに、一体何を食べているのだろう。