第25話 ルクスとジョーカー

 時は少し遡り、ルクスの話である。

 ルクスは、中央の教会内にいるステラのところに行って、指示を仰いだ。


「早速だがルクスよ、噴水あとに行ってくれ」

「先の放送のクズどもですか?」

「ああ。頼む」


 ステラが頭を下げた。この人がこんな姿をすることは、そうそう見ることはできない。故に、それほど大事な任務なのだろうか?とルクスは疑問に思った。だが、特にそのことを聞くこともなく、言葉を返す。


「わかりました。その命を謹んでお受けいたします」

「助かる」


 ルクスはステラの言葉を聞くと噴水の方向へ飛んでいた。

 色々好き勝手している僕だがこの国が好きだ。故に、この国を脅かすものは絶対に殺す。それが、ルクスが常に日頃から掲げている行動原理であった。

 噴水あとにつき、周りを見ると酷い有様だった。噴水は爆破され、芝生はもう、すべて燃えている。


「おや、おやおやおや。あなた様はかの有名な聖者殿が育てた子じゃあないですか?」


 どこからか、人を馬鹿にするような男の声が聞こえてきた。


「お前あの放送していた男の仲間だろう?」

「ええ。よぉくおわかりで。私めはジョーカー・クラウン。以後よろしくおねがぁいしまぁぅす」


 悪人は殺すのみである。


「メタトロン来い」


 ルクスの声に反応し空間が歪み、そこから出るは天使メタトロンの分霊。


「契約書」


 ルクスがそう言うとペンが現れ、空にペンを走らせる。


「〈契約・神槍〉」

『承った』


 その天使の声に反応し目の前の空間が歪む。すると、ルクスの前に槍が現れる。僕はその槍を握りジョーカーへと走った。


「おや、これはやばい。〈岩壁〉っと」


 ジョーカーと僕の間に岩の壁が生まれる。だが、この槍の前には関係ない。この槍は神の力が宿った槍だ。

 ルクスはジョーカーの頭上へと槍を振り落とす。

 ジョーカーはチッチッと指を動かす。

 ジョーカーは自分のポケットからナイフを出すと槍を受け止めた。


「なっ」


 彼は神槍を受けるほどの力があるのだろうか?なら何故、さっきは壁を作ったのだろうか?とルクスは考える。

 ただ唯一分かることは、この戦いはジョーカーの能力を死ぬ前に当てなければ、死ぬのは自分であるということだけであった。

 あぁ、この戦いは長くなりそうだ、と悟る。

 ジョーカーは神槍を受け止めていたが、槍からナイフを離しルクスへと走ってきた。


「それだけですかぁ。つまらないですなぁ」


 そう言うとジョーカーはルクスの腹へとナイフを刺した。

 それは、さっきまでとは動きが違い、気配が消えて急に腹のところにいたような感覚であった。


「ぐはぁっ」


 ルクスは口から血を吐いた。あぁ、痛い。じわりじわりと、刺されたところが熱くなるのを感じる。


「メタトr..ん。契約ぅだ。この傷を、治せ」


 言葉を発するのが苦しかったが、ルクスはすがるように言葉をつづけた。

 ルクスは淡い光に包まれ、体の傷がみるみる快復していった。


「なるほどぉ、なかなかに面白い魔法の使い手のようですねぇ」

「はっ、そうですか。あなたもなかなかに面白そうな魔法を使ってるじゃないですか」


 ジョーカーは一瞬バレたかと焦ったような顔をしたが、こちらの意図がわかったのだろう。すぐに表情を戻した。

 ルクスは彼に対抗するためまた、契約をする。


「〈契約・自動装填機能付き魔銃〉」


 ルクスは神槍をしまい出てきた銃を手に取る。そしてジョーカーへと銃口を向けると引き金を引いた。「バンッ」と銃を撃った時の音が聞こえる。


「クソッ、〈岩壁〉」


 ジョーカーはまた、岩の壁を構築する。だが、銃弾は岩壁もを破壊しジョーカーへと進む。

 ジョーカーは仮面を被っていた。


「見られましたか。まぁまださほど問題はない」


 ジョーカーは銃弾を指二本で止めた。


「はっ!?」


 魔力で強化した銃弾を指で止めるだなんてどんなトリックを使った。仮面を被ったがその下面はつけた瞬間なくなっている。仮面にジョーカーを倒すヒントがある。


「トリックは...仮面だな」


 ルクスは賭けへと出た。


(さぁどう来る?ジョーカーよ)


「はははははは。それは賭けでしょう?そんな罠にかかって魔法を教えるようなバカじゃねぇですよぉう。まぁ、ヒントを差し上げましょう、着眼点はいいですよ」


 ジョーカーはニッと笑った。

 クソッ滑られてんな。

 ルクスは銃弾を撃ちながら近づいた。


「無駄ですよぉ」


 ジョーカーは銃弾を取りながら舌を出す。

 楽しんでいられるのも今のうちだ。


「神槍」


 ルクスが言うと目の前に神槍が出現した。


「あれっれぇー、しまいませんでしたかぁ?」


 ジョーカーはまだおどける。


「しまったよ。でも、返却はしていない」


 少し騙した。この方法は所見だときつい。契約というのが出現させるキーワードだと勝手に思ってくれちゃってるからだ。


「はぁ、これは団長の嫌いな奴なので使いたくなかったのだけれど...しょうがないか」


 ジョーカーは仮面をつけながらルクスへと向かってくる。


「〈羅喰〉」


 神槍で防いだが、神槍は耐えられずに破壊された。

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