第2話 最弱スキル《料理》の真の力?

 魔王を倒すはずの俺のスキルが《料理》。


「……いやいや、これでどうやって魔王倒すんだよ」


 俺は落ち込みながらも、試しに近くに生えていた赤い実を手に取った。見た目はトマトっぽいけど、食べられるかは不明だ。


 スキル発動:《調理》


 すると、手の中の実がパァッと光り、なんと香ばしいトマトスープに変わった。


「えっ、なにこれ……」


 恐る恐る口にしてみると――。


「うまっ!? ってか、体が……軽い!?」


 まるでエナジードリンクを一気飲みしたみたいに力がみなぎってきた。


 ⸻


「おや、勇者様。そのスープを少し分けていただけませんか?」


 声をかけてきたのは、さっきの騎士の一人。彼は戦いで腕をケガしていた。


 俺はスープを渡した。騎士がそれを飲んだ瞬間、傷がみるみるうちに治っていく。


「こ、これは……回復魔法より早い!? 一体どうなっているのですか!」


 ――そうか。この《料理》、ただの食事じゃない。

 食べた人を強化し、回復までできるチートスキルじゃないか!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る