1. □ 祭り当日の朝、町は早くからざわめいていた。提灯が並び、浴衣姿の人々が行き交う。僕は心臓が高鳴るのを感じながら、タブレットを強く握りしめた。

2. □ 学校に集まったクラスメイトは笑顔で準備を進めていた。「いよいよだな！」と声が響く。その輪に入りたいのに、足がすくんで動けなかった。

3. □ 明日香が「蓮も手伝おう」と声をかけてきた。僕は頷き、《できる》と打った。誤字で《できゎ》になった。クラスに笑いが起こり、胸が痛んだ。

4. □ 「可愛い字だね」と明日香が笑ってくれた。でも「可愛い」で片付けられる自分が悔しくて、涙が滲んだ。

5. □ 屋台の準備で机を並べる作業。僕は手を伸ばすが力が入らず、指が震えて机を落としそうになった。

6. □ 「危ない！」と誰かが声を上げる。笑いが混じる声に胸が潰れそうになる。

7. □ 明日香がすぐに支え「一緒に持とう」と笑った。その笑顔に救われつつも、情けなさで視界が滲んだ。

8. □ 午後、祭りが始まった。浴衣姿の人々、太鼓の音、屋台の賑わい。僕はその人混みに圧倒され、足が止まった。

9. □ 「大丈夫？」と明日香が振り返る。僕はタブレットに《だいじょうぶ》と打った。でも胸は苦しく、呼吸が浅かった。

10. □ クラスの模擬店で接客を手伝うことになった。僕は必死に入力して注文を伝えようとするが、指が震えて誤字だらけになった。

11. □ 「読めねえ！」と笑い声が上がった。冗談でも、その一言が刃のように突き刺さった。

12. □ 涙が込み上げ、視界が滲む。喉は塞がれ、声は漏れない。胸の奥で「僕なんて」と叫びが渦巻いた。

13. □ 明日香が「私が通訳するから」と隣に立った。お客さんに笑顔で応じる彼女の姿に救われ、同時に胸が痛んだ。

14. □ タブレットに《ごめん》と打つ。彼女は「謝らないで。一緒にやってるんだから」と優しく微笑んだ。

15. □ 日が暮れる頃、屋台の灯りが夜の闇を照らした。人の笑い声が広がる中、僕は孤独を感じながらも明日香の隣に立っていた。

16. □ 太鼓の音が響き、花火が打ち上がった。空に大輪の光が咲き、歓声が上がった。僕は胸が震え、涙がこぼれた。

17. □ タブレットに《きれい》と打った。誤字なく打てた。それだけで胸が熱くなった。

18. □ 明日香が「うん、すごくきれい」と微笑んだ。その声に涙が止まらなかった。

19. □ 花火の下で、僕はタブレットに《ぼくはここにいる》と打った。画面が光り、花火と重なった。

20. □ 明日香が画面を見て、静かに微笑んだ。「うん、ちゃんとここにいるよ」その言葉に涙が溢れた。

21. □ 花火の音が胸を揺らす。周囲は歓声で溢れているのに、僕の心臓は孤独に跳ねていた。人混みに押され、呼吸が浅くなる。

22. □ 明日香が腕を取って「大丈夫？」と声をかける。その温かさに救われたけれど、同時に「守られてばかり」という影が心に広がった。

23. □ タブレットに《だいじょうぶ》と打つ。誤字なく打てたはずなのに、画面が涙で滲んで読めなくなった。

24. □ 屋台の列に並ぶと、後ろから「早くしろよ」と小さな声が聞こえた。悪意ではないのかもしれない。でも胸を深く突き刺した。

25. □ 明日香がすぐに「順番だから待ってね」と言ってくれた。その声に救われつつも、涙が込み上げた。

26. □ 《ごめん》と打つ。彼女は首を振り「蓮は悪くない」と即答した。その真っ直ぐな声に胸が震えた。

27. □ 綿菓子を受け取ると、震える手で袋を持ちきれず、破れてしまった。白い綿が地面に散った。

28. □ 「あっ」と声が漏れた。笑い声が少し起こる。その笑いが胸を裂き、涙があふれた。

29. □ 明日香が「大丈夫だよ、ほら半分こしよう」と綿菓子を差し出した。その自然な優しさに心が震えた。

30. □ タブレットに《ありがとぅ》と打った。誤字でも、彼女は「届いたよ」と微笑んだ。

31. □ 祭り囃子が響く中、僕は人混みに押されて転びそうになった。足がもつれ、視界が揺れた。

32. □ 明日香がすぐに支え「大丈夫、ゆっくり歩こう」と囁いた。その声に救われ、同時に情けなさが込み上げた。

33. □ タブレットに《はずかしい》と打つ。彼女は「恥ずかしくなんかない」と言った。涙が頬を濡らした。

34. □ 夜店の灯りが川沿いを彩っていた。金魚すくいを見て、僕は立ち止まった。やりたい。でもできない。

35. □ 明日香が気づいて「一緒にやろうか」と笑った。僕は頷き、タブレットに《したい》と打った。

36. □ 誤字で《したぃ》になった。彼女は「可愛いリクエストだね」と笑って受付をした。

37. □ 網を持つ指は震えていた。金魚はするりと逃げる。悔しさが胸を焦がす。

38. □ 網が破れ、何も取れなかった。笑い声が耳に刺さる。涙が込み上げた。

39. □ 明日香が「大丈夫、私が代わりにすくうね」と言って金魚を掬い、袋を差し出した。「蓮の金魚だよ」

40. □ 僕はタブレットに《ありがとう》と打った。誤字はなかった。涙で画面が揺れた。

41. □ 花火が再び打ち上がる。夜空に光が広がる。その瞬間だけ、世界が静止したように感じた。

42. □ タブレットに《きれい》と打つ。明日香は「うん、すごく」と笑った。その笑顔が花火より眩しかった。

43. □ 人混みのざわめきに押されながらも、僕は隣に立つ彼女を強く意識していた。

44. □ タブレットに《となりにいて》と打つ。彼女は「ずっといるよ」と答えた。涙が止まらなかった。

45. □ 屋台を回り終え、二人で川沿いに腰を下ろした。風が頬を撫で、遠くで祭囃子が響いていた。

46. □ タブレットに《たのしかった》と打つ。誤字なく打てた。彼女は「私も」と微笑んだ。

47. □ 涙が頬を伝う。「楽しい」と「苦しい」が交互に押し寄せる。未完成な気持ちが胸を満たしていた。

48. □ 明日香が「蓮、泣いてる顔も好きだよ」と呟いた。心臓が跳ね、涙が止まらなかった。

49. □ タブレットに《すき？》と打った。誤字で《すく？》になった。彼女は笑って「うん、伝わったよ」と頷いた。

50. □ 胸が熱くなり、涙と笑顔が同時にあふれた。未完成のままでも、確かに伝わっていた。

51. □ 夜空に最後の大輪が咲いた。光が散り、闇に戻る。その一瞬に「僕もここにいた」と強く思えた。

52. □ 帰り道、浴衣姿の人々が賑やかに歩いていた。僕は一歩遅れながらも、隣に彼女がいることを意識した。

53. □ タブレットに《ありがとう》と打つ。彼女は「何回でも聞きたい」と笑った。その声に救われた。

54. □ 家に帰ると母が「どうだった？」と聞いた。僕は《たのしかった》と打った。涙が滲んだ。

55. □ 夜、布団の中で《ぼくはここにいる》と打った。画面が光って見えた。

56. □ 翌朝、学校で「昨日最高だったな」と声が飛んでいた。僕は俯きながらも胸の奥が温かかった。

57. □ 明日香が「蓮も楽しんでたよね」と笑った。周囲が頷き、僕はタブレットに《うん》と打った。

58. □ 誤字なく打てた。それだけで涙がにじんだ。

59. □ 放課後、祭りの片付けが始まった。机を運ぶ手は震えていた。けれど「一緒に」と明日香が隣にいた。

60. □ タブレットに《いっしょ》と打つ。誤字で《いっしょぉ》になった。彼女は笑って「それでも嬉しい」と言った。

61. □ 教室の飾りを外す作業。紙が破れた。胸が痛んだ。

62. □ 明日香が「破れたっていいんだよ」と笑った。その声が救いになった。

63. □ 帰り道、夕焼けが二人を包んだ。影は並んで伸びていた。

64. □ タブレットに《となりにいてくれてありがとう》と打つ。彼女は「こちらこそ」と答えた。

65. □ 涙が頬を伝う。苦しさも孤独もすれ違いも、それでも彼女が隣にいるから耐えられた。

66. □ 家に帰ると父が「頑張ったな」と声をかけた。僕は《うん》と打った。涙が溢れた。

67. □ 夜、机に《ぼくはここにいる》ともう一度打った。光が力強く見えた。

68. □ 翌朝、セミの声が響いていた。僕は深呼吸をして学校へ向かった。

69. □ 教室に入ると、祭りの余韻を語る声が響いていた。僕はその輪の外で微笑もうとした。

70. □ 明日香が「蓮も頑張ってたよね」と言った。周囲が頷いた。胸が熱くなった。

71. □ タブレットに《ありがとう》と打つ。誤字なく届いた。涙が滲んだ。

72. □ 放課後、二人で川沿いを歩いた。昨日の灯籠の残り火がまだ漂っていた。

73. □ タブレットに《きれい》と打つ。彼女は「うん」と微笑んだ。その笑顔が一番きれいだった。

74. □ 夕暮れの風が頬を撫でる。涙が流れた。

75. □ 《ぼくはここにいる》ともう一度打つ。彼女が画面を見て「知ってるよ」と言った。

76. □ 胸が熱くなり、涙が止まらなかった。

77. □ 夜、布団の中で昨日の花火を思い返した。光の中で確かに僕は笑っていた。

78. □ 涙がこぼれたけど、苦しいだけじゃなかった。温かい涙だった。

79. □ 翌朝、鏡に映る自分を見て「僕はここにいる」と呟いた。声にならない声だったけど、確かに聞こえた。

80. □ 学校で明日香に会い、タブレットに《おはよう》と打った。誤字なく届いた。

81. □ 「おはよう！」と彼女が笑った。その声に救われた。

82. □ 昼休み、二人でパンを分け合った。彼女が「昨日の金魚元気だよ」と笑った。

83. □ 僕はタブレットに《よかった》と打った。涙が滲んだ。

84. □ 放課後、祭りの後片付けで机を運んだ。震える手を明日香が支えた。「一緒にね」と囁いた。

85. □ タブレットに《ありがとう》と打つ。誤字なく届いた。胸が熱くなった。

86. □ 夕焼けの廊下で二人並んで歩いた。影は未完成でも並んでいた。

87. □ タブレットに《すれちがっても》と打つ。彼女は「また並べばいい」と笑った。涙が頬を伝った。

88. □ 家に帰ると母が「楽しそうね」と言った。僕は《うん》と打った。涙が溢れた。

89. □ 夜、机に《ぼくはここにいる》と書いた。文字が輝いて見えた。

90. □ 翌朝、蝉の声がいつもより明るく聞こえた。心が少し軽かった。

91. □ 教室に入ると友達が「昨日助かったな」と言った。胸が震えた。

92. □ タブレットに《ありがとう》と打つ。彼らが頷いた。その一瞬が宝物だった。

93. □ 放課後、明日香と並んで歩く。夏の風が心を撫でた。

94. □ タブレットに《となりにいて》と打つ。彼女は「もちろん」と答えた。

95. □ 涙が止まらなかった。でも笑えた。

96. □ 未完成でも、隣にいる。それだけで救われた。

97. □ 夜、布団の中で「僕はここにいる」と心で呟いた。涙が流れた。

98. □ その涙は苦しみだけじゃなかった。温かい光が混じっていた。

99. □ 明日香の笑顔を思い浮かべ、胸が震えた。

100. □ 未完成の恋模様は、花火のように儚くても確かに輝いていた。そしてその光は、まだ消えてはいなかった。