嘘つき

まぁいいんだけどさ。

…嘘つき。

気にしてないんだけどさ。

…嘘つき。

今度からこうするからさ。

…嘘つき。

そんなこと思ってないよ。

…嘘つき。

そう、人ってみんな嘘つきなの。

そりゃ私だって嘘をつくこともあるし、この世界に生きてる人は全員嘘をついて生きているはずよ。

建て前と本音なんてただの言い訳。

嘘でしたなんて口が裂けても言えないから、言葉で飾り付けているだけなの。

嘘で騙してお金を稼ぐ。

嘘で騙して人を雇う。

嘘で騙して生きていく。

そうやって世界は成り立っているの。

いつだって得をするのは嘘つきで、正直で真面目、完璧を求めている社会的優等生は嘘つきに使い潰されるいい道具なの。

だからと言っていい子ちゃんはその生き方を変えることは到底できないのよ。

だからいい子ちゃんは自分に嘘をつくの。

私が全部悪いんだって。

でも仕方ないのよ、そうやって生きていくことしかこの世界ではできないの。

でもね、私はそんないい子ちゃんのあなたが好きよ。

私はそんなこと思ってないし、なんなら私もそっち側の人間だもの。

あなたがどういう気持ちなのかもよくわかってるわ。

あなたはそのままでいいのよ。

私はずっとあなたの味方だからね。