28、順番

「なぁ」

「あ?」

「消しゴム貸してくれん?」

「いいぜ」

「ありがと」

「うん」

「あ、シャーペンもある?」

「鉛筆なら」

「じゃあそれで」

「おん」

「……」

「……」

「あっ、折れた」

「代わりいるか?」

「あるの?」

9本きゅうほんある」

「鉛筆だけ多くね?」

「黒鉛筆は絵描くのに使うからな」

「意外だわ」

「削るからそれくれ」

「鉛筆削りも常備してるのか。はい」

「これ代わりな」

「さんきゅ」

3本さんぼんくらい貸そうか?」

「いいの?」

「しゃーなしな」

「助かるわ」

「……」

「……」

「あっ、また折れた」

「すげぇ折るな」

「す、すまん」

「責めてねぇから安心しろ」

「あぁ、力加減には気をつけるわ」

「そうしてくれ」

「……」

「……」

「……ってか、今気づいたんだけどさ」

「?」

「お前、最初の言葉、五十音順に喋ってる?」

「……偶々たまたまだろ」

「ほらほら!」

「違うわ」

「確信犯だろ」

「つまんねぇな。てめぇ」

「急にひどい」

「取るに足らねぇな」

「無理やりまでねじ込むな」

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