第四章 消える取材班メンバー2

その日の昼、取材班はいったん解散し、各自ホテルに戻った。

だが夜になっても藤田が戻ってこなかった。


「藤田さん、連絡つきませんか?」

中川が焦った声で言う。


佐藤が電話をかけ続けたが、コール音が虚しく鳴り響くだけだった。

ライターの木村は落ち着かない様子で携帯を握りしめていた。


「……もしかして、あの缶を持ち帰ったからじゃないですか?」


そう、藤田は昨日、自分の思い出の飲料が出てきたとき、

「これは証拠だ」と言ってその缶をポケットにしまい込んでいたのだ。


ホテルのフロントに確認したところ、藤田が部屋に戻った形跡はなかった。

代わりに、駐車場の彼の車の助手席に、空になった缶だけが置かれていた。

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