第四章 消える取材班メンバー2
その日の昼、取材班はいったん解散し、各自ホテルに戻った。
だが夜になっても藤田が戻ってこなかった。
「藤田さん、連絡つきませんか?」
中川が焦った声で言う。
佐藤が電話をかけ続けたが、コール音が虚しく鳴り響くだけだった。
ライターの木村は落ち着かない様子で携帯を握りしめていた。
「……もしかして、あの缶を持ち帰ったからじゃないですか?」
そう、藤田は昨日、自分の思い出の飲料が出てきたとき、
「これは証拠だ」と言ってその缶をポケットにしまい込んでいたのだ。
ホテルのフロントに確認したところ、藤田が部屋に戻った形跡はなかった。
代わりに、駐車場の彼の車の助手席に、空になった缶だけが置かれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます