第一章 取材班の結成2

カメラマン:藤田直哉(42)


ベテランのフリーカメラマン。テレビ業界の下請け仕事を長く経験してきたが、最近はネット配信向けの仕事が中心。

酒と煙草を好む無骨な男で、オカルトには懐疑的だった。


「くだらねぇ怪談だろ。まあ、カメラ回せば金にはなる」

そう言って笑った彼の目の奥には、どこか疲労の影が見えた。


ライター:木村遥(29)


週刊誌出身のフリーライター。好奇心旺盛で、都市伝説や民俗学を取材することが多い。

飄々とした性格で、怖い話にも首を突っ込みたがる。


「ただの壊れかけの機械じゃないんですか? でも、“誰も補充しない”ってのは妙ですね。見てみたいです」


アシスタントディレクター(AD):中川優斗(24)


新卒2年目。撮影機材の管理や取材交渉などを任されている。

まだ経験は浅いが、真面目で緊張しい。


「え、ほんとに行くんですか? あの……心霊スポットとかじゃないですよね」

そう不安げに笑った彼は、この後の出来事を最も強く恐れることになる。

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