2日目
今日も、パソコンの前に座り起動する。
相変わらず薄暗い部屋には、パソコンのファンの音が木霊する。
デスクトップの背景画面を写した後に、自動で書きかけの物語を表示する。
話が進んでいればいいのに、なんて淡い思いは簡単に打ち砕かれる。
当然だ。
誰かが書き進めているなんてホラーでしかない。
昨日と同じ文面に吐き気を催しながらも、キーを叩く。
己の身を削りながら、話を紡いでゆく。
なぜここまでして書くのか、と考えたこともある。
何かに突き動かされている、とでも言うのだろうか。
そうしなければならないような気がしてならない。
ではその何か、とは一体何なのか。
遠くから輪郭は見えているのに、近づくと霧散してしまう。
いつまで経っても、核心に触れることはできない。
毎回、結論は出ないままだ。
結局のところ、分からない、というのが答えなのかもしれない。
――また、集中できていない。
ここは主人公が最も苦しむ場面だ。
気を引き締めなくては。
でないと、繊細で、脆弱で、陰鬱で、焦燥している主人公の心情は表現できない。
あまりに重い主人公の感情に飲まれそうになる。
フッ、と目の前が真っ暗になった気がした。
何も見えず、頼るものもない。
突如として湧き上がる孤独からの恐怖が心を埋め尽くす。
心拍数が上がり、呼吸も荒くなる。
気がつくと眼前に天井が見えた。
どうやら眠っていたようだ。
ゆっくりと体を起こし、画面を見る。
案の定、話は全く進んでいない。
省電力になったパソコンを閉じ、次の
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