秋
勝利だギューちゃん
第1話
「えっ、もう時間?」
私は、秋。
秋の精霊。
性別は女性。
ちなみに、夏と冬の精霊は男性で、春と秋の精霊は女性。
人間〈じゃないけど〉、誰しも少しでも自分を美しく魅せたい。
それは、性。
特に女性である、私はその気持ちが強い。
特に歳を重ねれば重ねる程に、お化粧の時間は長くなる。
なるべく素顔は見せない。
まるで、マスクマンだ。
まずは、美容院へいって髪を整える。
「いつもの、感じでいいですか?」
「今回は、少しウェーブをきかせて。それから、少し茶色っぽく・・・」
秋の精霊もたくさんいるが、全員女性。
それぞれの、担当区域が決まっている。
若い子が担当のところは、もう秋が来ているが、私の担当区域は常夏に近い。
昔は、もっと早くから働いてたのに・・・
次に服装。
さすがに若い時みたいに、短いスカートははけないし、露出も出来ない。
でも、美しく魅せたい。
「このワンピースなんて、どうですか?」
「私にには、派手かな?」
「まだまだいけてますよ」
「そう?」
いくつか試着して、よさそうなのを選ぶ。
帰宅して、お化粧をする。
これが、時間がかかる。
素顔に自信がない?
その通りよ。
だからこそ、念入りに時間をかける。
さてと・・・
そろそろ出かけようかな。
私の担当地区にも、秋を越させよう。
「こら、遅いぞ」
「あっ、冬の精霊くん。どうしたの?」
「どうしたの?って、もうこの地区は冬だぞ」
「今、何月だっけ?」
「12月だ」
今年も、仕事が出来なかった。
そろそろ潮時かな・・・
秋 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます