第4話

病院を退院した悠は国立魔導図書館の地下に停めている自身の魔導車に自身が所有する装備を詰め込んでいた。

「ったく長期的な任務になると荷物が多いのが困るな。しかし俺の任務先がグリモワとはね」

そう呟きながら最後の荷物をトランクに入れてドアを閉める。そして魔導車に乗り込み任務の書類を読み始める。

「教師として潜入し先日のような学園襲撃があった場合は真っ先に対処すること。必要最低限の人物には目的を話していいこと。はぁめんどくせぇな。まぁあの学園は知り合いが多いからなんとかなるか。風紀委員のところにでも収まって情報収集しますか」

そう言って悠は書類を任務の書類をしまい、魔導車を走らせた。暫く魔導車を走らせ都心から30分の所にグリモワール魔導学園はあった。

「はぁ、やっと着いた。全くもう1つの魔導学園が国立である弊害だな」

そう言いながら悠はグリモワール魔導学園の学園長室に向かった。

「失礼します」

「どうぞー」

室内から返事が返ってきたので中に入ると見知った顔の人物が2人いた。1人は自身の義母でこの学園の学園長である天王寺晶。そしてもう1人は俺の学園時代の同級生で友人の御手洗ルカだ。

俺がこの部屋に入った時点でルカがいるという事はルカも事情を知っているという事になる。何故なら俺は偽名でここの学園の臨時教諭になる事になっているからだ。

「久しぶりだね霧崎くん。いや今は天王寺くんって呼んだ方がいいのかな」

「ああ久しぶりだなルカ。それにしても此処は何も変わってないな」

「悠、大体の話は外川から聞いてるけど一応確認しておくね。この学園では雨宮一馬っていう架空の教諭として表向きは務めつつ裏では潜入任務って事でいいんだね」

「そうです母さん。いえ今は学園長と呼んだ方がよろしいでしょうか」

「まぁどっちでもいいけど公の場では学園長って呼んでね。それと天王寺家の特権を父さんが発動させたから近くに家を借りれる用にしたからそこ使ってね。流石に教員用の寮で装備とか弄る訳にはいかないでしょ」

「それは有難いですけどこれでまた天王寺本家に貸しを作ってしまいましたね」

「悠、家族なんだから貸しだなんて思わなくていいんだよ。それに父さんの無茶はいつもの事だから」

「それでは今日は解散して明日からよろしくお願いしますね雨宮先生」

ルカがそう言った事で話し合いも終わったので通信用魔導機を使って俺はある人物にメッセージを送った。

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