第2話「ボルディア大森林」
目を開けると,そこは
安全を確認したのち,俺はステータスを確認することにした。
「ステータスオープン」
──────────────
【ステータス】
名前:カイン
種族:骸骨
能力値──
生命力:10 / 10
魔力量:16 / 16
知力:6
防御:2
剛力:2
敏捷:2
器用:4
称号:
・『魔なる者』『元人間』『朽ちた体躯』
通常スキル:
・『魔力操作』『鑑定眼』『隠密』『精神力』
継承スキル:
固有スキル:
・『冥界ノ理』
──────────────
「うっわぁ…ステータス低すぎるな。これが骸骨選んだことの代償か」
予想以上のステータスの低さに困惑しつつも,その下にある固有スキルの欄を確認する。そこには『冥界ノ理』と書かれていた。名前的には強そうだったのでひとまず安心だ。
「効果を確認してみようか」
効果の確認のため,クリックする。
──────────────
【冥界ノ理】
熟練度:0
──────────────
「…これだけか」
少し拍子抜けしたものの,弱いかどうかは試してみなければわからない。とりあえず,発動をさせてみる。
「『冥界ノ理』」
すると,地面がモゾモゾと動く。骸骨の腕が一本地面から飛び出す。少しずつ這い上がってきて,骸骨の姿が
「…これだけ,か?」
かなり拍子抜けしたものの,弱いかどうかはまだわからない。ひとまず,『鑑定眼』で彼を見てみる。
──────────────
【骸骨】
強さ:G
骸骨。称号『元人間』『朽ちた体躯』を持つ。
基本ステータスがかなり低いため,最弱魔物の一つである。
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う,うーん…。普通の骸骨だった。
自分のステータスを確認してみると,魔力量が「6 / 16」となっていた。多分,『冥界ノ理』の発動に魔力が10必要なんだと思う。
「もしかして,はずれを引いたか…?」
骸骨がこちらを「ジーっ」と見てくる。…なんというか,はずれなんて言ってごめんな…。
だが,よく考えてみると,この骸骨は普通の骸骨なわけだから,消えない普通の骸骨ということになる。つまり,他の魔物に見つからないように大量の骸骨を召喚し続ければ,骸骨の大群を指揮することも可能なわけだ。
そう考えると,そこまで悪い能力ではないかもしれない。
そういえば,能力説明のところで「支配下に置く」と書いてあった。試しに色々彼に命令してみたところ思った通りに動いてくれるようだ。
「右手挙げて」
(ヒョイっ)
「右手下げないで,右手挙げて」
(ムズムズ…)
「左手あげないで──」
(ヒョイっ!!)
「──あっ」
(!!!)
なんていうふうに遊んでいると,魔力が「11 / 16」になっていることに気がついた。
「もう一体召喚してみるか」
(コクコク)
「『冥界ノ理』」
先ほどと同じように,骸骨が地面から這い出てくる。
「こんにちは」
(コクコク)(カラカラ)
骸骨が2体になった。
── ◇ ◇ ◇ ──
その後,一時間ほど骸骨を増やし続けていたら,骸骨の数が21体になった。ということで,彼らを率いて魔物を倒してみることにする。
「よし,お前たち。あたりを散策して,魔物がいれば俺に教えろ。全員でその魔物を倒すぞ」
(コクコク)(カラカラ)(ジャラジャラ)
すると彼らは一目散に──とは言ってもスピードはゆっくりだが──散らばる。
俺も彼らと離れすぎないように,みんなを確認できるような位置から見守る。
そういえばだが,彼ら骸骨を召喚するにあたって,計21回もスキルを発動させた。その関係で,スキル熟練度なるものが成長していたようで,ステータスがこのように変化した。
──────────────
【ステータス】
名前:カイン
種族:骸骨
能力値──
生命力:10 / 10
魔力量:19 / 19 (+3)
知力:8 (+2)
防御:2
剛力:2
敏捷:2
器用:4
称号:
・『魔なる者』『元人間』『朽ちた体躯』
通常スキル:
・『魔力操作』『鑑定眼』『隠密』『精神力』
継承スキル:
固有スキル:
・『冥界ノ理』
──────────────
この世界にはレベルシステムがない代わりに,スキルの熟練度によるステータス強化がされるみたいだ。
──────────────
【冥界ノ理】
熟練度:1
──────────────
21回も発動させて1しか上がらないのはかなり厳しいが,まあそんなものか。おそらくこの熟練度の上昇によって,知力が2上っているのだと思う。
逆に『精神力』スキルの方は──
──────────────
【精神力】
熟練度:3
自らの精神力を高めるスキル。魔力量を上昇させる。
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魔力を消費したことによって熟練度がちゃんと上昇したらしい。これのおかげで魔力量の上昇量が上がったんだと思う。
…すると,こちらに手を振って何かを伝えようとしている骸骨が視界の端にあることに気が付く。
(フリフリ)
「ん? 魔物を見つけたのか?」
(カラカラ)
「よし。全員,あいつの周りに集合だ」
(((バタバタ)))
敵を発見した骸骨の方に行くと,少し遠くに小鬼がいた。いわゆる,ゴブリンというやつだ。奴らも俺たち骸骨と同じく,最弱魔物の一つだが,骸骨よりも圧倒的に強い。ステータス的には1.5倍と言ったところだそうだ。
しかし,俺たちは,俺も含めれば総勢22体の骸骨軍団。数の前にはステータス差などほとんどないに等しい(?)。
「よし,お前たち。行け!」
(ジャラジャラ)(カランカラン)(バタバタ)
小鬼もこちらに気がついたらしい。
「ゴギャギャ!」
醜い声を出しながら,太い木の棒,棍棒のようなものを振り翳してこちらに走ってくる。そのまま一人の骸骨が殴られた。頭が揺れてしまったようで,倒れてしまった。
近くにいた3体の骸骨が小鬼に群がり,弱い腕力で殴る。小鬼にはあまり効いていないようだが,骸骨を殴ろうとして手から棍棒が離れてしまった。追加で7体の骸骨が集まってきて,寄ってたかって小鬼を殴り続ける。
数分後,小鬼が息をしていないことを確認した俺は,みんなに「ナイスだ! 勝ったな!」と声をかけた。
(わーい)(わーい)(コクコク)
こいつらも喜んでくれているみたいだ。一体だけ,棍棒でちゃんと殴られてしまったやつもいたが,特に命に別状はないらしい。
小鬼を倒す頃には立ち上がれていた。
「ふむ,やっぱり数さえあれば,魔物はちゃんと倒せるらしいな」
そう呟いて,先ほどの小鬼の死体の近くに落ちている棍棒を拾う。意外と重かったが,ないよりはマシだろう。何より,あいつらのポコポコ殴りを俺もするんじゃあ,いつまで経ってもなかなか敵を倒せないだろうし。
「よし,じゃあ次の獲物も見つけるぞ!」
(コクコク)(カラカラ)(ジャラジャラ)
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