Regalia Online: 最弱骸骨で始めたソロプレイヤー、固有スキル&進化で最強へ至る

久慈ときわ

第一章「ボルディア大森林」編

第1話「冒険の始まり」

 --- …Regalia Onlineへ接続中… ---






 --- …接続完了… ---





 ── ◇◇◇ --- ◇◇◇ ──


「ようこそ,Regalia Onlineへ!」


 元気よく言ったのは,妖精のような案内役の少女であった。




「私の名前はナビルです。ゲーム開始前の注意事項,案内などを担当します。よろしくお願いします!」

「ん,ありがとう。よろしくね,ナビル」




 俺がそう返すと,彼女は微笑みを返してくれ,そのまま手を俺に対してかざした。すると俺の目の前に青い半透明なスクリーンが立ち上がる。


 そこには「この世界について」と書かれていた。この世界はよくあるファンタジー世界で,中世ヨーロッパあたりの世界をモチーフにしているらしい。剣や魔法,魔物や迷宮など,よくある王道のやつだ。




「それではですね,まずはこの世界はどのような世界なのかを説明いたします!」


 だが,そのことについては事前情報で知っていたから,ここは──


「スキップさせてくれ」

「了解いたしました! ここでの情報は公式Wikiに書かれていますので,いつでもご確認ください!」




 彼女がもう一度手を前に翳す。すると今度は別のスクリーンが立ち上がる。


「お次は,お名前の設定です! お名前は何にされますか?」




 いつものユーザーネームである「カイン」を入力する。


「『カイン』様ですね。──使用可能なことを確認いたしました! 設定します… ── 設定完了しました!」




 俺は頷く。Regalia Onlineは今日の午前0時にリリースされたフルダイブ型MMORPGなのだが,その関係上ユーザーネームが被ると使用できないという問題がある。


 今の時刻は午前0時01分。


 できるだけ急いでは居たが,設定できない可能性を心配していたので一安心だ。




 ナビルがもう一度手を翳すと,別のスクリーンが表示される。




「お次は種族選択です! 人類側,魔物側に分かれています。それぞれ利点がありますから,お好きな方をご選択ください。おすすめは人類ですよ〜」

「…」


 スクリーンにはこう書かれていた。




 ──────────────




 人類側:

 人類の道を選択したプレイヤーは100ポイントのスキル獲得用ポイントと,選択可能な称号1つを無条件で獲得します。また,六神による加護を受けることができるようになる称号『聖なる者』を獲得します。


 *スキルポイントはゲーム開始後失効します。ゲーム開始後は,スキルポイントによるスキル獲得は不可能になります。




 人間:

 種族ボーナス:スキル獲得用ポイント+50。

 最も自由度が高く,多様なスキル構成を試すことができるバランス型種族です。


 森人:

 種族ボーナス:知力ステータス+5%,その他のステータス-3%。一時的に魔法消費魔力-5%する効果のある種族スキル『風の祝福』を獲得。

 魔法や弓術に特化し,特定のスタイルで効率的に成長したいプレイヤー向けです。


 獣人:

 種族ボーナス:筋力,敏捷ステータスに+10%,知力ステータスに-10%する効果のある種族スキル『獣の血』を獲得。

 純粋な物理戦闘に特化し,その分魔法面では大きく劣る,明確な強みと弱みを持つパワー型種族です。




 魔物側:

 魔物の道を選択したプレイヤーは150ポイントのスキル獲得用ポイントを獲得します。また,魔神の加護を受け,進化システムによって自身を強化できるようになる称号『魔なる者』を獲得します。


 *スキルポイントはゲーム開始後失効します。ゲーム開始後は,スキルポイントによるスキル獲得は不可能になります。




 骸骨:

 種族ボーナス:称号『元人間』を獲得。ステータス全体に-5%する効果のある種族固有称号『朽ちた体躯』を獲得。スキル獲得用ポイント+100。

 ステータスは低いものの,多様なスキル構成を試すことができるバランス型の種族です。


 小鬼:

 種族ボーナス:足音を小さくし,存在感を薄くする効果のあるスキル『隠密』を獲得。

 特別な能力はないものの,多様な進化先によって強力な魔物になるポテンシャルを備えています。


 悪魔:

 種族ボーナス:称号『悪魔』を獲得。他者と契約する際,あらゆる対価を強要可能になる種族固有スキル『悪魔の契約』を獲得。

 人の中に紛れ,狡く,そして賢く生き,人を騙して強くなりたいプレイヤーには最適です。




 ──────────────




 俺は事前に決めていた答えをナビルに言う。


「骸骨を選ばせてくれ」




 すると彼女は困ったように言う。


「ええと,骸骨ですか…? もちろんいいですが,本当に弱いですよ。ステータスなんて,人類の半分にも満たないくらいで…」

「それでも構わない」




 俺は唯一,スキルポイントを250も獲得できる骸骨でしかできない,とあることをやろうとしていた。だから,骸骨一択だ。


「…それなら仕方ありません! 後悔しても知りませんよ〜! では,お次はスキル選択のお時間です!」


 毎度の如く手を前に翳すと,選択可能なスキルの一覧が表示される。スキル名をタップすると細かい能力が見れるようだ。


 そしてスキル名の横には「必要ポイント数」が書かれている。

 弱い能力,例えば『応急処置』という弱めな回復スキルは必要ポイントが10だが,『雷撃』という強力な魔法スキルは30も必要としている。


 また,『初級剣術』や『初級槍術』といった,継承スキルと言われる少しレアなスキルとなると,50も必要らしい。

 魔法使いの必須スキルである『魔力操作』も同様に50である。ただ,人類側のプレイヤーは称号選択によってこれらの必須スキルをポイント消費なしに獲得することができる。だから,ナビルも人類側をおすすめしていたのだ。




 それら高ポイントスキルのなかで,一際目立つスキル(?)があった。それが俺が狙っていたもの──


〈『ランダムな固有スキル獲得』150〉




 固有スキルと言われるものは,基本的にプレイヤーは獲得できないらしい。


 しかし,唯一獲得する方法,それがこの『ランダムな固有スキル獲得』だ。それ以外,特別なイベントの報酬で獲得するしかないらしい。


 そして人類側でこれを選ぶには,必要ポイントの関係で少なくとも人間である必要がある。が,仮にこれを選べば他のスキルを選択できなくなる。小鬼も,悪魔も同様だ。




 この固有スキルは,基本的には強力なものが多いらしい。ベータテスター曰く,ゲーム内での強力なNPCのほとんどは,固有スキルを持っているから強力なんだそうだ。ならば,取らない手はない。




 しかも,骸骨であるからこれを選んでもまだ100残ってる。


 俺は他に必要そうなスキルである,『魔力操作』50と,『鑑定眼』30,『隠密』10,『精神力』10を選択して,ナビルに「選択し終わった」ことを伝える。




「早いですね! それでは最後に,初期スポーン位置の選択をお願いします」




 そう言われて出てきた地図を見ると,ほとんどの場所がグレーとなっており選択できなかった。


「魔物側のプレイヤーは,悪魔を除いて,ダンジョンのある森や山,洞窟しか選べないようになっています! どれも少し難易度は高いですが…」

「ふむ,おすすめはどこかな」




 ナビルは「そうですね〜」と少し考えると,口を開く。


「ボルディア大森林か,エストニア平原付近でしょうか。他の選択肢となると人類の拠点から離れすぎてしまって,魔物の平均の強さが上がってしまいます」

「なるほど,ならボルディア大森林にしようかな」

「良い選択です! では,最後に注意事項を言いますね!」




 数分の注意事項を聞くと,ナビルが少し真面目な顔をして最後の言葉を言う。


「この世界はあなたにとってはゲームですが,私たちNPCにとっては現実そのものです。どのようなプレイスタイルも許されていますが,節度あるプレイをよろしくお願いします」

「ああ,心得ている」


 彼女は微笑み,頷く。


「また,この世界で得られるあらゆるものは,あなたの世界──現実世界における通貨でも取引可能となります」

「ああ,RMTだな」

「はい。ですので,もう一つの現実として認識していただければと思います」




 RMTとは,リアルマネートレーディングのことである。この世界で得られたものを現実において取引できる制度だ。俺はこの制度を使ってたくさんお金を稼ぐ。そのためにこのゲームをやると言っても過言ではない。




「それでは,カイン様。Regalia Onlineの世界へ── いってらっしゃい!」


 視界が白い光に包まれる。さあ,俺の冒険が始まるんだ。

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