第10話 完話 黄金のドラゴン
ドラゴンはエルとの出会いの頃が想起されていた。無鉄砲にも闇商人から我を救い出してみせ、何日も失敗しようと関わろうとした。ただの遊びではできないことなのは明らかだ。あの日から少年は随分と成長していた。身体能力は高まり、まだ少年でありながら、正面から我を盗み出せるのだろう。体の中にある力をすこしだけ操っていた。なんと多才な少年だろうか。将来は偉大な武闘家や魔法使いになるかもしれない。体力のなせる技で鍛冶師にでもなるかも。山で暮らすかもしれないな、などと考える。我も助けられたからこそ、漆黒のドラゴンを倒せた、そうでなければ家族にやつは被害を出していたかもしれないな。。。エルのお陰でかなり助けられたなぁと今更ながらに考えては、先が楽しみだと別れを惜しむ気持ちも薄いものになった。
★
今日、冒険者ギルドの情報掲示板に意味不明な張り紙が書かれていた。終わりにはエルの文字。今勢いのある魔法使いの名だ。「黄金のドラゴンがこの街の近くをとんでいるところを見かけた。俺はそいつと話したが、話のわかるやつでこの街には被害を出さない代わりに、俺達も手を出さない約束をした。そいつには家族もいる。決して手を出しては行けない。 魔法使いエル」まったく、面倒なことになったもんだ。どうしてくれようかと考えながらギルドを出ると目を守る。太陽を反射し輝く何かが、雲の中に隠れていった。
闇のドラゴン @hjkhj
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます