第4話 マリアの心

 翌日、カティスの教会に二人を護衛する為、レイは待っていた、、、


 (昨日の食事も、今日の朝食も美味かった。)


「ああ、それは良かった!人間はそれがスタンダードだ!」


と話をしていと、二人が、、、


「すみません。」「ごめ~ん。」


と来た。


 街から少し離れたところに移動して、ドラグ・ドグマの姿に変身した。


 二人共に言葉が出ない。


 「これがこの男の正体だ。我と一体化している。」

 (あまりビックリさせるなよ。)

「そうなんですか、、、やはり、、、」

と綺麗な女性のルーは言って、可愛い女の子のミツキは、何か嬉しそうだ。


 「皇帝の居場所は分かるか?転移したようだ。」

 (そうそう、忘れないように聞こう。)

「カティスの教会に行けば、分かるかも知れません。」

 とルーは答えた。

「ドラゴン、初めて見た!」

 とミツキは目をキラキラさせている。


「少し変わった子だな!我を見て、恐れないとは、、、まぁ、いい。背中に乗って、ウロコに掴まれ!」

「はい!」「分かった!」

と二人が背中に乗った。

 そして、飛び上がり、カティスの教会まで移動している途中、皇帝の軍がいたので、火球を飛ばし、吹き飛ばした!


「この火球は!?」「すごーい!」


「我の攻撃対象だ!この男の意思だ。」

(皇帝の軍は全て消し炭にしないとな。)

そして、間もなく、カティスの教会に二人を送り届けた。


 人間の姿に戻った。レイは二人に

「皇帝の居場所を知らないか?俺はその為にドラグ・ドグマと一体化したんだ!」

 ルーはちょっとこちらへ、案内されて、地図を出した。

「多分、皇帝はほぼ、この全土を支配下においてます。転移をしたとしたら、ハックと言う大都市に転移先を置いてるはずです。」

「何故だ?ハックって、確か大都市であっても、王宮はないぞ?」

「理由としては、この国を全土を手中に治めたので、新しい王宮をハックにも作っていると聞いてます。」

とそこへミツキがレイをジーっと見てる。

「ミツキ?どうした?何故、俺を見てる!」

(この娘は何か視えてるな!)

「竜の兄ちゃん、不思議な加護受けてる。だから、今はまだ大丈夫。」

そして、ルーが

「ミツキは、不思議な力を持っています。ですが、精神年齢が子供から、18歳になっても、育たないのです。」

ドラグ・ドグマが言う。

(恐らく、巫女の定めだ!力と引き換えのな!)

「恐らく、力と引き換えだと竜は言ってます。」

とルーに説明した。


ミツキは、続ける

「このまま行くと、竜の兄ちゃん、心が全部真っ黒になる。それは、悲しいと加護してる人が言ってる。」

「加護してる人?誰だ?マリアか!?」

(この子にはお見通しか!)

「そう!マリアさん泣いてる。今のレイは竜に心をだんだん乗っ取られて行ってるから、、、」

とミツキは言って、倒れそうになり、ルーに連れられて行った。


「まさか、マリアの加護のお陰で、意識があるとはな!?ドラグ・ドグマに体を明渡しても、意識があるはずだ!」

(そうだ。貴様の加護者はお前を愛している。だから、我に体を取られても、まだ平気なだけだ!時間が経つに連れて、我に心も乗っ取られるぞ!覚悟しとけ!)

「体はお前にやるよ!だけど、復讐が終わってからだ!」

レイはそう言って、地面に座り込んだ。


 ルーが戻って来た。ハックに行く事を伝えた。そして、ルーが、

「レイさん。約束のお金とこの首飾りを、、、」


「御守りかい?ありがたい!!」

(何だ?この暖かい気持ちは!?)

「この首飾りは、怒りの主を落ち着かせる効果があるそうです。ミツキが言った、体の侵食は少しは遅らせる事ができるそうです。」


「俺には、もう失うものは無い!何せ絶対、守ると誓う者を皇帝達に全部奪われたのだからな!」

(そうだ。我が望むのは破壊、復讐の心だ。)

「復讐が終わったら、このカティスの教会に来てくれますか?マリアさんの為に、、、恐らく、ミツキはマリアさんの気持ちを汲んでます。」


用意をしたレイは、

「分かった!復讐が終わったならな!心がまだ残ってたら、また、会おう!」


と言って、ハックに飛び立った!

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