最高の家族、絶対に幸せにしてみせる
我が家は父さん 茅場 光隆(みつる)は、俺の実母の死を機に若くして自営業者になった。俺を育てるために。
今でこそシングルマザーだった徳佳さんとお互いの子供のために結婚して次第に安定していったが、それまでは普通の子供だったなら倒れたであろうほどに、毎日疲れ果てていた。
今でもより良い家庭のために働き詰めなので、徳佳さんが来て、子育ての苦労が減ったと思うが、癒さねばなるまいと子供の振りしている。心休まっていると良いが……。
母さん……義母の徳佳さんはなんか不思議だ。
普通……というのは分からないが、俺の考えでは、自分の子と他人の子では扱いが変わるはずだ。それも俺は前世があるから大人しく、姫架よりも年上だから年齢で言っても姫架の方を優先して当然だと思う。
だが、母さんは最愛の娘と差を見せない。休日の疲れ果てて外出する元気のない父さんに娘を任せて、俺を公園に付き添うことまでしてくれる。
普通は俺を我慢させて娘を優先してもいいはずなのに、より良い生育環境を整えてくれる。尊敬すべき母親だった。もう1年も経ってないが血の繋がりなんて関係ないと全幅の信頼を寄せている。
が、徳佳さんはそれだけじゃない。
父さんには内職のちょっとした稼ぎと言っているらしいが、明らかに“ちょっとした”じゃ説明のつかないことをしている。
俺が前世で知っているもののパチモンのような企業の株式(よく創作物では有名企業をもじった名前の企業が登場する。つまり、これから上がると思われる株式だ)を何社か保有しているのを知っている。
流石にどれくらい保有しているのかまでは知らないし、現在の価値も分からないが、将来的に結構な資産を持つことになるのではないかと思っている。
さらにそこまで重要ではないが、重要な点がある。
徳佳さんはとっても若いのだ。いや、幼い印象すら感じさせる、一部以外の成長が小・中学生程度で止まったいわゆる合法ロリといった女性なのだ。
なのに胸は母性を感じさせる大きさ。
はっきり言って父が妬ましい。
義妹の姫架はまず可愛い。
徳佳さん譲りの容姿で、将来は可愛らしい子になるだろうな、となる子だ。それがにぃににぃにと懐いてくるのだ、可愛くない訳がない。
さらには俺の真似とかをするからか、よく母に本当に兄妹みたいに、お兄ちゃんに似てるね、と言われるというのも可愛く感じる理由の一つだ。
尊敬できる父と母、可愛い妹、金持ちとまでは言わずとも安定した生活、理想的な家庭である。
もし、もし仮になんらかのゲームの世界だとしたら、家族にまで影響を及ぼすバッドエンドがある世界だとしたら……家族が不幸になったら……俺は後悔する。自分を許せなくなる。
うん、やっぱりステータスが見えるならカンストを目指すべきだ。ステータスだけじゃない。例えばなにか武術を習得していけば、仮になにかあっても守ることが可能になるだろう。
まだステータスは少ししか伸びてないけれど、家族が俺が幸せになる道を進んでいきたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます