仮面で顔半分を隠している侯爵令嬢のセレスティーヌは、その仮面の下に傷跡があり、婚約者のリュシアンから「傷もの」と呼ばれている。
国王が亡くなり王位を継ぐというタイミングで、非情にもリュシアンはセレスとの婚約を破棄し、彼女の妹との結婚を宣言した。
リュシアンの補佐官マティアスの助言で、セレスは公爵家の次男でありマティアスの弟であるレオに嫁ぐことになるのだが、レオは以前から彼女に好意を寄せていた。
すれ違いながらも、二人は次第に距離を縮めていくのだが、その頃王城や街には婚約破棄の影響が出始め──?
この作品の素晴らしいところは、セレスとレオが心の距離を縮めていく様子が、本当に丁寧に描写されているところ。
それから、二人のいる世界が、政治や貿易や人々の生活によって確かに存在していると思える、現実的な奥行きを感じるところです。
筆者の山田あとり様は、普段から様々な時代や世界観の作品を執筆されていますが、どの作品でも、今挙げた2点──丁寧な心理描写と、確かな世界観の構築が魅力的で、読んでいて没入感と安心感があり、毎度「素晴らしい」と唸ってしまいます。
今作においても、その実力はもちろん発揮されており、傷付いたセレスが王妃になるという道の外で色々な感情や世界に触れ、レオと心を通わせ、徐々に前を向いていく様子が本当に心に響きます。
ただの婚約破棄ものに収まらず、セレスとレオの周囲の環境がどう変わるか、王位継承をめぐる他国との水面下での戦いや、実際の出兵など、本当に見どころが盛りだくさんの作品です。
つまり、何が言いたいかと言うと──セレスとレオの純愛にホワホワしながら、マティアス様のかっこよさに一緒にキャーキャー言いましょう( ;∀;)!!!ということです!!!!
ほんと、これに尽きる。
高い実力がある作者の作品を読みたい、そんな方に特におすすめ!
ぜひ読んでみて下さい。
主人公セレスティーナは王太子の婚約者。
王妃になるべく多くを学び、事故の際には王太子を庇って顔に傷を作る。
それ程誠意を持って尽くしてきたのに、王太子は父王が亡くなった途端に婚約破棄。
そして、セレスティーナの妹を新たな婚約者に選ぶ……。
婚約破棄される令嬢ものとしてはお約束の始まりです。
何もかも失った主人公を、ヒーローが溺愛して自信を取り戻させていく流れも定番。
しかしこの物語の素晴らしいところは、タイトルにもある「純真」の部分です。
セレスティーナが愛されて自信を取り戻すだけでなく、置かれた状況から徐々に視点を広げて行き、自分の心と向き合っていく様はとても清々しいものです。
心の奥底に縮こまっていた誇りと願いを自覚し、ありのままの姿で未来へ向かう。
同じ女性として強く応援したい気持ちにさせられます。
もちろん甘い溺愛部分も堪能できますし、脇を固めるキャラクター達も魅力的。
ヒーローも最初心配になりましたが(笑)、安定のカッコ良さで主人公の隣に立ちます。
これぞヒーロー!
凛と立つ主人公の美しい「純真」がどういうものなのか、ぜひ多くの方にご覧頂きたいです。
お薦め致します!