想いは如何に?

 ホントに今日は良い天気!

 ヽ(=´▽`=)ノ


 昨日と違い今日は良い天気、コースに行くか?、とも思ったが考えて見れば昨日の悪天候じゃコースはドロドロ、転んだ日には服の泥を落とすのに洗濯物と格闘する事になるし…、少し前だったらそんな格好で戻ったら鬼の様な顔で怒られるんだろうな…。

(。・_・。)…


 そんな事を思い今日は大人しく買い出しして、その後は久し振りに家でのんびりする!。


 さてそろそろ出掛けようと玄関へ向かう、其処に少し幅広の封筒が落ちている。家には玄関ドアに受け口があるだけで郵便物は床に落ちてしまう、アレ今朝届いたのはコレか?、拾い上げると其処には住所の記載も無く、俺の名が書かれただけの封筒。


「何で俺の名前だけ?」

 (・・?

 其処で気が付く名前だけが書かれた理由に。

 ( ゜д゜)ハッ!

「悠美が此処に来たのか?、何故声も掛けずに…?」

 暫しその場で封筒を手に佇んでしまう、之はどう云う意味だ…、其れで或る答えに辿り着く。


「嗚呼…、そう云う意味なんだ…、もう俺に声を掛ける必要が無くなったと言う事か…、其れならば之は良いこと何だよな…」

 まだ俺が必要ならば社旗が掲げられ、停め置いて有るVTを見れば二人の間に何の障害も無くなった事は理解したはずだ…。


「とりあえずは開封してみよう」

 此処で憶測するよりも其処に答えが書かれて居る筈だ…、でも此れで今日の買い出しは出来なくなるな…。握って居たRZのキーをそっと元の場所に戻した。


「さてと、灰皿、灰皿っと」

 炬燵に座りまず一本に火をつける、一人で過して居た頃は吸っては無かったのだが、又一人に戻り間を持て余し手を出してしまった、運転する仕事に就き飲酒による余りに酷い現場を何度も眼にして、アルコールには抵抗があり飲む事は無かった。


 ホントに暖かい時間を一度知ってしまうと一人の時間というのは堪えてしまう物、上京したばかりの頃は全く気にならなかったのにな…、さて早速中を見て観るかと封筒に手を伸ばし開封した。


「お疲れ様です大変なお仕事の様ですね、ぐっすり良い夢を見て眠れましたか?、表に在る新聞社の旗が着いたオートバイ見ましたよ、おめでとう御座います貴方の夢が叶ったのですね。私のお願いはちゃんと神様に聞き届けて貰えたのですね…」

 と書き出され。


「本当は直接謝らなければ為らないのですが、お顔合わせると決心が揺らいでしまいそうで手紙にしました。本当に短い間でしたが私の長く辛かった日々を全て書き換えて戴きました。今思い出せるのは二人で笑って過ごした楽しかった事だけです、辛かった時の事を思い出せない位楽しかった事だけが全てに成りました、有難う御座います」

 そう綴られて居た。


「本当に嬉しかったんです、私との将来を考えて頂いた事。でも夢を追い此処迄来た貴方がその夢を捨てる事迄考えて居たなんて考えたくは無かった」

 やはり選択を間違えて居たんだな俺は、逆に彼女を追い詰めていたのだな俺は‥。


「私の事は心配しないで下さい、あの後私は実家に戻り両親に勧めて貰ったお見合いの方の処へ嫁ぎます、その証の品も入れて置きます」

 〈そうかヤッパリ実家に帰って居たんだな、何処なのかは聞いて居なかったが・・>

 封筒の中を確かめると名前と住所が切り取られた結婚式の招待状が同封されていた。


「素顔のままの私が良いと貴方と同じ事を言ってくれた人なのできっと幸せに成れると思います。ですが彼には二つの嘘を付いて居ます、大好きだった貴方が夢を追って私の元を去って行った事、その大好きだった貴方にだけ抱かれた事。貴方は私の元を去った悪い人に為ってます其れをどうかお許し下さい。私に起きた哀しい事を貴方が全て楽しかった事に書き換えて頂きました、私は其の楽しかった日々だけを思い出に持って行けます、ありがとう♥、そしてさようなら」

 書かれた便箋のさようならの滲む文字、其処に全てが現れている、彼女の新しき人生に幸多からん事を願わずに居られない。其の為なら悪者に生る位構わない。


 ただ続けて耳の痛い事もしっかり書かれている…。

「折角片付けて上げたのにお部屋見て悲しくなりました、それじゃ彼女が出来てもお部屋に呼べないでしょ!、片付けなさい!」

 ٩(๑`^´๑)۶

 其れを書いている時の悠美の怒る顔が眼に浮かぶ、書かれていた事は至極ご尤もな御意見です。

「それじゃ片づけるとしますか!、コレで買い出しは無しだな、如何しよう俺の晩飯?」

(´Д⊂グスン


 <PS,何時か何処かで貴方が走ってる所を見れると良いな~、御活躍御祈り致して居ります有難う御座いました。悠美より>

 是で俺も振り返らず安心して前に進んで行ける、良かった俺の『お前が幸せに成れる様に…』もちゃんと聞き届けて貰えた見たいだ、本当に良かった。


 漸く心の痞つかえが取れた気がする、そして俺の願いも聞き届けて貰えたのだと安心した。

 もう二度と交わる事は無い二人の時間だが、お互いが相手の事を思い願った言葉がすれ違い、伴に歩む事は出来なく成ってしまったが、其々の願いは無事に叶ったのには間違い無かった、でもコレで少なかった俺の女運は全て使い切ってしまったかも知れない。

 (´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)



 此の後は更に碌な事が起きない気がするんだ、逃がしたホントに魚はデカかったんだと思う…。



 お互い祈った其々の願い…。

 其々が無事に叶ったんだ…。

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