第18話 猫商人は見た!

うちはみたにゃ。

「なにかすごい者がいるにゃ。あれはにゃんなのにゃ?」

うちは、ケットシーのミケにゃ。商人をしているのにゃ。

いま、うちの目の前をすごい者が闊歩しているにゃ。見た目は子供にゃ、子供が乗っている獣もすごいにょだが、その子供は、輪を何十にもかけたようにすごいのにゃ。


うちは鑑定眼をもっているのにゃ。

空気が揺らいで見えるほどの魔力、そのくせ適性は平凡な生活魔法、なんなのにゃこなアンバランスさは。でもなんだか惹かれるにゃ。気がついたら、うちは店で一番の生地を掲げていたにゃ。


「あ、あの、猫さん?」

「いらっしゃいにゃ! お嬢ちゃん、うちはケットシーのミケにゃ」

「わたしはリリっていいます。あのミケさん、その生地はあの……。私、この生地が、とっても気になって……」


リリが指差したのは、太陽の光を浴びて虹色に輝く、美しい布にゃ。

とある東の国から仕入れた布にゃ。


「これは、『虹の織物』にゃ! 特殊な糸で織られていて、光を当てると色が変わるんだにゃ。とても珍しいものにゃ!」


うちは、得意げに説明しましたにゃ。

ぜひ、この子に使って欲しいと思ったにゃ。なぜかはわからにゃいなにゃ。


「わぁ……。すごく綺麗だね……。この生地で、新しいローブを作ってほしいな」


リリは、ボロボロになったローブをギュッと握りしめながら、そう言ったにゃ。

だけど・・・

今のローブが大事そうだにゃ、よっぽど思い出があるにゃ。

「ニャ? お嬢ちゃん、そのローブは……。大事なローブにゃ?」


リリはだまって頷いたにゃ。それなにゃら。

「ちょっと見してもらいますにゃ」

ちょっと、年数経ってるけど生地はわるくないなにゃ。

りりの魔力がほどよくしみってるにゃ。

「リリさん、このローブを下地に新しいローブ作れせてもらえませんかにゃ?…」

「本当!? ありがとう、ミケさん!」


リリは、嬉しそうに微笑んだにゃ。

なんか、すごくうれしくなる、笑顔なのにゃ。


こうして、うちは、リリのボロボロのローブを下地に、虹色の織物を使った、新しいローブを作り始めたにゃ。別にうちが直接つくるわけじゃにゃいな。

魔道工房に発注するのにゃ。


「なんじゃ、このローブは!」

「こんな、魔力見たことない!」

「こりゃ、大変じゃ皆で力を合わせるんじゃ!」

「「「おーーー」」」


なんか、工房が大変なことになっている気がするにゃ。

なんとか、リリの謁見までに、間に合ったのにゃ。

出来上がった、そのローブは、リリの持つ膨大な魔力と共鳴し、見る者を魅了するような、不思議な輝きを放っているのにゃ。


これは、もしや・・・いや、考えるのはやめるのにゃ。


「これで、このミケは、リリちゃんに、コネができたのにゃ。あの子はきっと色々やってくれるのにゃ。」

生涯にわたってつきまとうのにゃ……


ミケは、リリが、いかに規格外な存在であるかを悟り、彼女に近づくことで、やがて来るであろう金儲けのチャンスを、虎視眈々と狙い始めたのです。


後日、ミケはある秘密団体からのオファーを受けた。

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