恋愛感情

青いバケモノ

正常

「ねぇねぇ」

「ん?」

「百合って、知ってる?」

「うん。知ってるよ?私たちみたいなやつでしょ?」

「いや、それはちょっと違うと思う」


今は幼稚園児の頃から大親友の、ナナの部屋のベッドの上でくっついている。まぁ、いつも通りだ。


「で、なんで急にそんな質問をしてきたの?ロコ」

「いや、百合って言葉を昨日知ったんだけど、それで思ったんだよね。私、女の子が好きなのかもって。」

「…へ〜、なんで?」

「もう高校生なのに、男の子好きになった事ないんだもん」


…だからと言って、女の子を好きになったことがある訳じゃ無いけど。…私、もしかして何かがちょっとおかしいのかなぁ


「ナナは恋したことある?」

「もちろん。人間だもの」

「…やっぱり、私って大事な何かが足りないのかなぁ」

「え〜…大丈夫だと思うけど」


ナナが心配そうにしながら、私の体を触る。


「なに?えっちするの?」

「ううん。ちょっと調べてるの。」


そういい、右手、左手、右足、左足、お腹、頭、胸、全部触った後に、またベッドに戻る。


「うん。どこも大丈夫そうだよ。」

「良かった!」

「まぁでも、一応ね。」


そう言うと、ナナがパソコンのある机に向かって、パソコンを弄る。プログラム?欄を開いて何かやっているが…私には難しすぎて何をやってるのかは分からない。


「あ、ごめん。やっぱり足りてなかったみたい。」

「えっ!ほんとう?」

「うん。ごめんねぇ。え〜っと、このパーツを胸に嵌め込むと、このプログラムが作動するはず……どう?」

「…ナナ好き!恋愛的に好き!」


よかった。これで正常な、人間になれた。

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