第2話 誰にも見せなかった孤独。そんな私に『仮面、かぶってってつかれねえ?』と問いかけた人がいた。」

私はただ生きながらえるような生活をしていたんだ。

でも、ある日をきっかけに私の運命は大きく変わっていく。

今でも覚えてる。

あれは5月のゴールデンウィーク明けのことだった。


私はいつもの通り、放課後に教室で今日の予習と復習をしていた。

すると、教室に1人の青年が入ってくる。藤堂瑠唯。バスケ部のエース的存在でいつも周りには人がいて、友達とふざけたり、笑い合っている、私とは程遠い人だ。私は、気にせず勉強を続けていた。

すると、急にあの人は言ったんだ。

「お前、仮面いかぶっててつかれねぇ?」

って。

 "は……?"

"え………?

いつバレたの?

 え、え、どうしよう……

この仮面のことがバレたら終わりだ。

 みんな離れていってしまう

 どうする真琴、考えるんだ。

 嘘だって、流さなきゃ、いつもみたいに交わさなきゃ。"

笑顔の裏の弱さを知られたら、きっと軽蔑される。そんな恐怖が喉を締めつけた。


そう自問自答繰り返してて、ふと藤堂の方を見ようとした。

でも、彼は何も言わずに教室から出ていった後だったのだ。

静かな教室に響くのは、早く脈打つわたしの鼓動だけだった。


 

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