第2話 すべてちゃんとワカッテイル

帰りたい

なぜ帰してもらえない

家族が、猫が…花壇の花が

私を待ってる

なのにどうして私は

ここにいなきゃならない


でも本当は違う

帰りたい

でも帰れない

多分全ての選択肢が、

ここにいることを

指していることはわかっている

わかっている

ちゃんとわかっている

それで、家族が救われる事を

自分が選んだ事が間違ってない事を 

忘れたフリをする方が

幸せなことも

それでも

わかりたくはないと

頭の中で誰かか言っている

自分の無力さを

自分の重さを

自分の弱さを


「だから誰かにはわかって欲しい」


帰宅願望

その4つの文字のなかには

目の前にたたずむ私には

まだ想像し得ない

その人の長い人生の先に訪れた

深い葛藤と悲しみが

つまっている







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る