【短編】異端者共の両奇譚 表日常ver.
レモンサワー
穴
え?誰かって?
どうもヒナゲシです。1年A組所属、出席番号22番、誕生日は2月23…
…知らない?そんなこと言われても困ります。というか僕も貴方を知りません。
何の用だって?そうですね…早速ですが、実は今僕は非常に危機に瀕しています。
…穴にハマった!!!!!
いや、違う別にギャンブルとかゲームとか賭けなどでは全く無くてですね、
…いや本当ですよ信じてくださいよ!!!!なんですかその疑わしい目は?
え?信じてる?嘘だぁ信じませんよ。というか見てわかりませんか?物理的にですよ物理的に。ただ偶然、そこにあった落とし穴にはまっただけです。
あっちょっと立ち去らないでくださいよ!!助けてほしいんです!!!
何をしろって?そりゃあもちろん僕を持ち上げて助けてほしいんですよ。
あっちょっと立ち去らないでくださいよ!!すみませんお願いしますから!!お願いします助けてください!!
…条件?何ですか?お金ですか?お金なら持ってませんよ?
あっちょっと立ち去らないでくださいよ!!すいません10円なら持ってますから!!
所持金が少なすぎる?仕方ないじゃないですかもともとそんな貯金癖なんて無いんですから!
まずまずなんでそこにって?知りませんよ、何なら僕が知りたいぐらいです。さっきも言いましたけど、ただ偶然そこにあった落とし穴にはまってしまっただけですよ。
何?そんな簡単なものに引っ掛かる奴がいるとは思わなかった?いやはまったものははまったんですよ、さっきから本当に貴方馬鹿ですね見てわかりませんか?
あっちょっと立ち去らないでくださいよ!!馬鹿って言ってすみませんでした!
なんですか?助けてはあげるけどその代わり見てほしいものがある?いいですよ別に助けてくださるならどこへでもついていきますよ!じゃあ早くお願いします!
よっ…と、ありがとうございます!そういえば見たことがないですが、貴方は一体誰ですか?クラスの人ではないように見えますけど…
え?そんなことは関係ない?それは確かにそうですね、じゃあいいです。それより案内をお願いします!
ところで今ってどこに向かってるんですか?…着いたらわかるって?わかりまし——
いてっ!!え?これって…
何ですか笑わないでくださいよ!!というかどういうことですか?なんでまた落とし穴が…
”さっきのもこれも私が作ったとあるモノ用の落とし穴だ、こんなものにひっかかる人間がいるとは思わなかった”?
…えっと、つまりは僕を騙したってこと、ですね?!!
悔しいから笑わないでくださいよ!!わかるわけないじゃないですか騙してるって!!!
え?馬鹿だって?うわっ酷ーいそういうこと言うんだー…ってかそれより助けて!
あーーっ!ちょっと行かないでくださいよ!!待ってー!!待ってーーー!!!
あーーーーーーーー!!!!!
今日のヒナゲシまとめ:馬鹿 ★★★
勢い ★★★
うるさい ★★★★★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます