第3話 触れない理由

2ヶ月経っても3ヶ月経っても男は肌の触れ合いを拒否していた。

彼女から誘われても手良くあしらっていた。

染色体レベルで『拒否』というか『そうしてはならない』何かを感じていた。


でもそのうちに彼女はどこか諦めを覚えた。

そしてある夜、彼女は言った。


「…ねぇ。なんでそんなに嫌なわけ?」

「…やればいいの?」


彼女を傷付ける言葉だと言うことはわかっていた。でも頭の中から精一杯出てきた言葉がそれだった。


「…そうじゃない。でもなんでかなって思うでしょ?あたし、魅力ないのかなとか、本当は嫌いなのかなとか、確かにあなたより年上だけど、だけど……」


彼女は涙で溺れそうになっていた。

そんな彼女の首に手を添えた。


「……!」


彼女は手が触れて2秒程して大きく目を開いた。

それを見て落ち着いて答えた。


「『したくない』なんて一度か言ったか?」

「言われてない」

「…『大切にしたい』その言葉じゃダメか?一緒に生活したら必ずそうしなきゃいけないか?」

「そうじゃない。そうじゃないけど。」


(彼女を引き寄せてキスした。ここまではいつもしてる。ただこの先が進まない。)


「なんでしてくれないの?」

「…ただ準備して入れて出して終わり。そんな事楽しい?」

「え?……」

「それがいいなら相手するけど。」

「……。」



この夜、寝室に彼女を残してリビングのソファで寝た。

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