星を諦めた人の話

せみ

第1話

夜空を彩る星、幼い頃に建物の隙間からみた流れ星は夢を見るのに十分すぎる煌めきだった。


 嫌と言うほどに聞き慣れたアラームが部屋中に鳴り響き、こちらも慣れた手つきでスマホに手を伸ばしアラームを止める。親が出かけている事をいいことに二度寝を決める。

次に起きたのはスマホの画面が12時を表示している頃だった、渋々起き上がり布団を仕舞い、ようやく活動を始める。

リビングへ行きテーブルを見ると「14時頃帰ります。朝はパン、お昼は自由にしてね」と手紙が置いてある。

「はは、もう昼なんだよな」乾いた笑いと独り言をこぼし手紙にあったパンを探すためキッチンに足を向ける。

朝ご飯だろうと思われる食パンを電子レンジのトースト機能で焼く。その間に身なりをある程度整え、数日前に言われたことを思い出しながら焼き上がるのを待つ。3月に大学を卒業したは良いものの就活が上手くいかず虚しくもフリーターとして働きながら就活している。母親には「周りの人はもう社会に出てるのに、あんたって子は、、、」父親には「就職がどうなったか聞かれるけど、まぁ。」という具合だった。

「どうしたらいいんだろ」

外の喧騒が静かなリビングまで届いてるのを椅子に座り聞き考えふけっているとレンジが「ピーピー」と鳴った。椅子から立ち上がりレンジを開け食パンをひっくり返し再びスタートボタンを押す。椅子に戻り考え込む、言われた言葉がどうにも反芻する。自分の中で嚥下しようとしても上手くいかないかと言って吐き出そうにもそんな場所などありはしなかった。

レンジが出来上がったと言わんばかりに「ピーピー」と鳴る、皿移し手を合わせ食べ始める。ようやくテレビをつけ、興味もない芸能ニュースに詭弁な政治家のニュースを眺めてた。あまりにもつまらいが消すのも惜しく教育番組へとチャンネルを映す、丁度中学生向けの理科の「星」の授業を放送していた。

「なつし、、習ってたわ」テレビに向かい呟く食べ終えた後も番組を眺めながら「天文、ね、」またテレビへ呟く。

番組が終わりテレビを消す、自分が使った食器を片付け自室へと戻る。ESを書くためにパソコンへと向かうが集中できずそれどころか再び眠気に襲われる始末だった。「くっそ」吐き捨てながらパソコンの画面から目を離し眠気を覚ますため窓を開ける。窓を開けると午後の匂いが漂い、雲一つない青空が広がっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星を諦めた人の話 せみ @syoko_executive

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る