第13話
美術館をさらに進むと、床に不思議な映像が映し出されていた。
「なにこれ、床にキーボードみたいなのが映ってる…」河香葉が足を止めて覗き込む。
踏んでみると、床のアルファベットの一つに触れるたび、壁にその文字が勢いよく走っていく。例えば「R」を踏むと、壁のスクリーンに「R」と文字がばーっと流れるのだ。
「わあ、すごい!踏んだら文字が走るんだ!」瑞川が目を輝かせる。
「やってみようよ!」河香葉も笑顔で駆け寄る。
二人で床をバンバン踏みながら、アルファベットを組み合わせて「I LOVE YOU」と入力してみる。エンターキーを踏むと、壁に文字が一斉に走り出し、二人はその動きに声を上げて笑った。
「なんだこれ、どういう仕組みなんだろう?」河香葉が首をかしげる。
「不思議だけど、楽しいね!」瑞川も楽しそうに言う。
二人は交互に文字を踏み、ランダムな言葉や名前を壁に走らせては笑い転げる。通りかかった他の来館者も、二人の無邪気さに思わずクスリと笑う。
「ねえ、これ、もう一回やろうよ!」河香葉が手を取り、二人は再び床を駆け回る。
文字が壁を駆け巡るたび、二人の笑い声が静かな美術館の中に響き、二人だけの特別な時間がまた一つ増えていった。
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