そして、ふたり

街の雑踏に戻っても、私たちの心は無人島のあの青空の下にあった。

「葵、あの島でのこと、忘れられないな」

蓮は微笑みながら、カフェのテーブル越しに私の手をそっと握った。

「私も。助け合って、笑って……不思議な時間だった」

都会の喧騒に包まれていても、ふたりの間にはもう、確かな絆があった。

「もう怖くない。蓮くんとなら、どんなことでも乗り越えられそうだ」

「俺もだよ。お前がいるから強くなれた」

過去の傷も、日常のストレスも、すべてが意味を持つように感じられた。

あの日の無人島が、私たちを変えた。

そして今、新しい物語が始まろうとしている。

ふたりで生きる未来に向かって——

「行こう、葵」

「うん、行こう」

手を取り合い、出口のドアをくぐった。

青い空は、いつでも私たちを待っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『無人島で、恋をした。』 @black_wolf_1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る