まず、今作を声を大にしてお勧めしたいのは、アクション映画のファンだ。
奇妙な話かもしれないが、本作を読み終えてレビューを書いている私は一本の大作アクション映画を見たかのような読後感に襲われている。
ネタバレを回避するために詳細は伏せるが、人物配置や登場人物の過去、事件の起こるタイミングや読者への情報開示のタイミングが見事に計算されており、そういった点がこのような感想を引き出しているように感じる。
また、登場人物の台詞回しやキャラクター像もイカした仕掛けが施されており、しっかり読めば読むほどそのノリに引き込まれていくだろう。
主人公が巨大な犯罪組織と戦う緊張感ある場面から始まり、異能力バトル、捜査、裏社会、家族愛……様々なテーマが一本の筋で通った展開で交錯する今作はまさに傑作である。
冒頭でアクション映画好きにおすすめと書いたが、もちろんそういった作品に造詣のない読者も置いていかない作りになっているので、幅広い読者に読んで欲しい作品だ。
映画を読むってどういうこと?と思うでしょう。一旦ポップコーンとコーラ、いや思いつく限りの映画館スナックを用意してください。
これは、まるでスクリーンを眺めているかのように映像が脳に飛び込んでくる。そんな小説です。
CIA工作員、裏社会、裏切り者、因縁の対決。まさに、アメリカアクション映画!
そして何より、一人の少女を巡る二人の男の物語が圧巻でした。
娘を失ったCIA工作員と、愛を持って一人の少女を育てた犯罪者。
誰が正しいのか?
どの生き方が間違っているのか?
それぞれの立場から見れば、きっと答えは違うのでしょう。だからこそ、二人の激突は単なる善悪の戦いではなく、読んでいくうちに胸を締め付けられました。
さらに、
愛する者を失った心の傷。
愛されたかった過去。
思春期の揺れる感情。
愛する者のためなら命すら懸けられるという想い。
それぞれの想いが交錯するからこそ、物語は単純な善悪では語れません。
スクロールするたびどんどん引き込まれていき、気が付いたら映画館の中でした。
さあ、ムービースナックの準備はできましたか?
スマホでもPCでも構いません。
今から一本の映画を観ましょう。
もちろん、文字でね!
M・I・Aッ!! M・I・Aッ!!(大観衆を前に野外ステージの中央で拳を振りながら
みんなぁぁぁぁああああッ!! 良作がっ、読みたいかぁぁぁあああッ!!(ウオオオオオオ!!
フヘヘ凄ぇキマるの奴を見つけたのぜぇ……こういう筆致と構成と雰囲気の作品にはここ最近のWeb小説界隈じゃあついぞお目にかかれるこたぁ無きにしもあらざらずんばあら児を得ずってねぇっへっへっへっへ……(誰&どういう意味だろう
おいテンプレ展開に飽きたカクヨム読者諸君ッ!! 読みたいのかいッ!? 読みたくないのかいッどっちなんだいッ!?
読ぉー!!みぃー!!ましょう、ぜひにも。このレビューに目が留まったのならばぜひ。これだけは真面目に勧めたいところです。(急なテンションの乱高下やめようか?
CIAの敏腕局員であるところのグレンは、武器密売組織を追っての任務の中、とある犯罪者集団の中に「少女」がいるという情報を掴みます。
その少女こそが、十年前、自身と共に巻きこまれ行方不明/生死不明の娘かも知れない、というところから物語は様々な人間の思惑を孕み、そしてそれぞれが交差し巻き込み巻き込まれつつ、動き始めるのでした――
ハードボイルドサスペンス+クライムアクションを下敷きにしており、それ自体の完成度は言うまでもないのですが、根底に流れるところは人と人との繋がりのあやうさ/もろさであるところに何とも言えない読み口をも読者に与えてくるのですぞ!!
そして他と一線を画すところとして、「異能」をスパイスとして投入しているところも白眉でありまして、いわゆる超能力なのですが、これが絶対無双の武器では非ず、あくまで自らの技量と思考選択があった上での補助的なものであるというところがうまい位置づけでござんしてしかして極限の最終局面ではこいつが正に効果的におっとこれ以上はいけねぇぜひとも本編を読了してみておくんなはれやっしゃどすえぇぇッ!!(どこの郷の人だろう
ディープでイカした駆け引きの妙、裏の裏の裏までかく極限の心理戦――それらを「静」とするなら、銃弾と爆風と異能が吹き荒れるストラテジックな戦闘は「動」。その両者が違和感なく共存し、優れた画角のカメラワークまでこちらに伝わってくるような圧倒的筆致で走り抜ける十三万字強の黄金読書体験を貴方に――
二時間で読み切ったのならば、残るのは良質な映画を見終わったあとの、興奮から落ち着きへと移行する中で、心中で湧き上がり始める情動の反芻のはず……ッ!!
M(みんなで)I(いっしょに)A(あんばさだぁ)ッ!!(うん…
広く勧めたいッ!! そんな作品ですぞ!! 読もうぜぇぁッ!!
最初は、消えた娘を追う話として引き込まれました。けれど読み進めるほどに、それだけでは収まらない作品だと分かってきます。失われた十年を取り戻したい父の思いと、その十年を生きてきた娘の時間は、同じ再会を願っていても決して同じではない。そのずれが何度も胸に残りました。
この作品が強く印象に残るのは、誰かを「正しい側」にきれいに置き切らないところだと思います。グレンの執念も、フェリクスの執着も、どちらも簡単には片づけられません。守りたい気持ちと奪ってきた事実が同じ手の中にあるので、読んでいて何度も揺さぶられました。それでも目を離せないのは、そのどれもが軽く扱われていないからだと思います。
アクションや潜入の場面は緊張感が強く、銃撃戦や駆け引きの切れ味もかなり楽しいです。その一方で、本当に忘れがたいのは、ふとした仕草や短いやり取りで人物の関係が見える場面でした。激しく動く話なのに、最後に残るのが人と人のあいだの温度なのが、この作品のいちばん好きなところです。
再会は救いで終わらず、真実は知れば楽になるものでもない。それでもなお、手放さずに追いかけた先にしか届かないものがある。そう思わせてくれる物語でした。最後まで読んでよかったです。
物語は、CIAに所属する凄腕職員、グレンの視点から始まります。10年前に起きたホテルの爆破事件で、彼の娘である花澄が行方不明(MIA)になりました。彼は心の傷を負いながらも立ち直り、日々の職務の合間に娘の手がかりを探す真面目なパパです。
そしてもう一方の視点、謎のウサギマスクを被る凄腕強盗犯、フェリクス。彼はあるときひょんなことから記憶を失った少女ミアを拾います。彼は不器用ながらも、周りの助けを借りつつ、父親代わりとしてミアを15歳まで育て上げます。
物語はこの2つの視点から流れ始め、やがて少女を中心に渦をまいていき――。
犯罪組織や強盗犯などをモチーフとした所謂クライムアクションであり、出てくるアクションシーンのひとつひとつに非日常の緊張感と爽快感が味わえます。
周囲を彩る数々の登場人物たちに日常・非日常の背景があり、それぞれの人生で生き生きとした様子が丁寧に描写され、読んでいてとても引き込まれます。
一方で、全国のパパさんに向け、私はこのお話を特におススメします。
グレンの娘・花澄に対する想いや葛藤、フェリクスと少女ミアとの絆、そして思わず抱きしめたくなるくらいのミアの天真爛漫な魅力がこの話の持ち味です。
彼らの心の変化や関係性の変化、その起点となる背景が、視点を変えて多面的に表現・開示されていき、物語を深く立体的に楽しむことができます。
特にお子さんのいらっしゃる男性なら、一度は経験するであろう『父性の芽生え』や、『子供の成長のうれしさや寂しさ』、そういったものを大きな感情の波とともに思い出させてくれると思います。
一人の娘を巡り二人のパパ?が激突する物語、おススメです!
2026年アカデミー作品賞受賞作『One Battle After Another』を思わせるのは、"娘を追う父"というモチーフの切実さだ。『M.I.A.』もまた、その喪失と執着を物語の芯に据えながら、裏社会を舞台にしたクライムサスペンスとして、アメリカ映画を観るような緊張感のなかで展開していく。
本作がただの救出劇にならないのは、取り戻すべき娘と、ミアとして生きてきた少女が、同じ一人の人間だからだ。グレンが花澄の名を呼ぶ切実さと、少女がすでに別の名で積み重ねてきた時間と、その両方が本物である。だから再会の場面は感動的であると同時にひどく残酷で、どちらかが嘘だとは言い切れない。
グレン側の喪失と執念、フェリクス側の罪と情愛。並行して描かれるその二つは、読者から「正義はこちら」という逃げ場を静かに奪っていく。任務、裏切り、襲撃、サスペンスとして十分に機能しながら、物語の中心にはずっと、この少女はどこへ帰るべきなのかという問いが残る。
それこそが、この作品のポイントだ。
十年前に幼い娘をホテル爆破事件で失ったCIA工作員グレン。
きっと生きていると信じて探し続けた愛娘は、犯罪者によって助けられ、多くの愛情をもって育てられていた……。
これだけでもう、父子が再会した時にどうなるのかハラハラしてしまう内容です。
しかし、この物語のすごいところは、その肉付けが半端なくアメリカンで、どの場面も違和感なくハリウッド映画を彷彿させるところ。
日本人が書く海外ドラマは、どうしても日本人的な考えや雰囲気が滲む瞬間がありがち。
でも、この作品にはそれがないのです。
小物や風景、台詞回しひとつでも、一度は見たことのあるハリウッド映画の場面に置き換えても遜色ありません。
おかげで、没入感を損なわないまま、仕掛けられたドラマに夢中になって読み進めてしまいます。
二人の庇護者は、警察と犯罪者。
しかし、どちらも真実少女を愛していて、読者は簡単にどちらかを応援出来ないでしょう。
生き別れの父と娘は、果たして望むべき再会を果たせるのか!?
一本の映画を観たような満足感。
いや、これホント映画ですよね!?
ぜひとも手に汗握る興奮を読んで味わって頂きたいと思います。
オススメ致します!
CIA工作員グレンは十年前、ホテル爆破事件により幼い娘——花澄を失っている。
しかし、彼女は記憶を失ってはいたものの、生きていたのであった。
なんと、犯罪組織の一員のフェリクスという男の元で。
「ミア」という名を与えられて……。
アクションシーンも、それから食事のシーンなど日常の一コマもアメリカっぽい雰囲気たっぷりに緻密に描かれ、まるで映画を見ているかのような臨場感と迫力、没入感を感じられます。
洋画のノベライズが結構好きなんですが、まさにそれです。
サブキャラや悪役や、細かな生活感もひとつひとつ丁寧に書き込まれているにもかかわらず、ダレることなくテンポ良く本一冊分に見事に収まっています。
皆さんも、ぜひこの読む洋画を楽しんでみてください。
心からおすすめしたい一作です。
てか知識に乏しく、クライム・アクションとは何ぞや、てな状態だったので、まずは読む前に検索してみたんですよ。人はわからなければ検索するんですよby平野啓一郎。
AIが教えてくれることには「その名の通り『犯罪(Crime)』をテーマにしたアクション作品のことを指します」とな。
わかったような、わからないような。
そもそも、読み物なのにアクションてのがよくわからん。
と思いながら読んでみたら、
わかりました。
そうか、これが、これこそがクライム・アクション!
他の人のレビューにもあったけど、映画それもアクション系洋画を見ている感覚。それを文字で味わえる。まさに声に出して読みたい日本語、の洋画!
て、この表現では伝わらないでしょうけど、読めばわかります。
これこそが、クライム・アクションです!!
最高にクールな作品です!
……なんて月並みな言葉を最初に持ってきてしまいたくなるほど、始終「カッコいい〜!」と叫びつつ読み進めました。
レビューって、気合を入れてちょっと気取った文を書きたくなってしまうタイプなのですが、この作品には気持ちが抑えきれず「アツいー!」とか「好きー!」とか、ストレートな言葉が真っ先に飛び出してしまいます。
なにせ、作品の隅々にまで見どころが詰まっているのですから!
まるでハリウッド映画のような会話劇やアクションシーン、ご飯や街並みといった日常の小道具たち。まさか「洋画のノベライズ?」と思うほどの没入感で、鮮明な映像が目の前に浮かんできます。
キャラクターたちも個性的で魅力的。社会的に見れば彼らの善悪はハッキリしているかもしれません。ですが読者目線では、一人一人にちゃんと正義が感じられ、悪事をするにもそうならざるを得ない環境があったりもして。
そして双方の信念がぶつかり合う場面は特に……もう激アツです!
これ以上語るとネタバレを誘因しかねないので、この辺りで抑えておきたいと思います。
ハリウッド映画がお好きな方も、あまり馴染みはないけれど興味はあるよという方も、とにかく多くの方にお読みいただきたい素敵な作品です!
(あと、映画化をよろしくお願いします!)
ハリウッド映画はお好きですか?
2000年代に入ってからのVFX乱舞ではなく、90年代ぐらいの、使っても極一部で生身スタントとSFXやってた頃の体当たり的な映画。本作は、あの頃を彷彿とさせました。
ネタバレ無しなので、色々と割愛しますが、お話の柱はグレンというCIAの工作員と強盗を生業としている犯罪者、フェリクスから成り立ちます。
まさに水と油。本当なら、捕まえる側と逃げる側、ちょっと血腥いトムとジェリーの様相と呈しますが、この柱の間に一人の少女が割って入ってしまって、さぁ大変。
何しろこの少女、グレンにとっては10年前、行方不明になってしまった愛娘。フェリクスにとっては拾って育て、愛着を持ってしまったがゆえにやっぱり愛娘。
その二人にとっての愛娘も、義父であるフェリクスに親以上の愛情を向け始めるお年頃──ってな形で始まる本作は、読んでいるとやっぱり洋画を思い出します。
とは言え、洋画でありがちな本筋の最中、思い出したかのように追加する家族愛要素ではなく、最初から本質的にそれを主軸としているので違和感がなく、且つアクションもきちっとこなしてくれるのでちゃんと世界観に馴染んでいるのが素晴らしいところ。
完結済みですので、今夜一本映画見たいなぁ、という気分になったら是非どうぞ。オススメです。