Uemura Shoen — Japanese Beauty

Rie

— 上村松園・美人画の静と動 —

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色白でふくよかな顔立ち、切れ長の目、あでやかな着物姿──。


松園の描く女性たちは、ただ美しいだけではなく、生活の中の自然な仕草や佇まいに優雅さが宿っていました。


手をそっと添える指先の動き、帯を結ぶ所作、微笑みのかたち。

その細やかさに、心まで穏やかにほぐされていくようです。


着物や髪結い、装飾品の一つ一つに息づく時代の空気。

色柄の奥には、女性たちの日常や心の機微が映し出され、まるで時間を旅しているよう。


松園は京都に生まれ一生を過ごした女流画家として、明治・大正・昭和と三つの時代を生き、74年の人生を美人画に捧げました。

作品からは、着物の柄や羽織、帯の結び方、髪結いの型、装飾品に至るまで、当時の流行が丁寧に再現されています。


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一点の卑俗なところもなく

清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ

私の念願とするところのものである

— 上村松園『青眉抄』より

――――――


松園の美人画に向き合うと、目に映る美の先に、時代と人の心の細やかな動きが織り込まれた世界が広がっていることに気づきます。


しばらくその世界に身を置くと、日常の慌ただしさを忘れ、しっとりとした美の余韻に浸ることができます。

松園の美人画を通して、日常の所作や装いに潜む繊細な美意識に気づき、心身を磨くことの意義を改めて考えさせられました。



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上村松園『化粧の図』より

インスピレーション

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◇ 化粧の図 — 鏡映し — ◇



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鏡の前で

静かに微笑む


白粉の香り

そっと漂う部屋


指先が紡ぐ

過去と今


紅を注すたび

心がひとつになる


松園の筆が捉えた

その瞬間


化粧の手順に宿る

物語


一筆一筆に映る

女性の誇りと優雅さ


その美しさは

時を越えて

今もなお輝く


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── ArtPoetry Rie




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