これは月下で回り始める、ふたりの愛の再生譚でしょうか。

沈黙を不信ではなく、ぎこちない愛として描き切った静かな余韻の残る物語でした。
疑念と不安で揺れる心が、泥臭い修繕作業という「行動」を通してそっとほどけていく過程が丁寧で、アプリの画面には映らない真実の愛が鮮やかに浮かび上がります。

再生したメリーゴーランドが月下に灯る瞬間、壊れかけた関係もまた静かに回り始める。その象徴性がやわらかく効いていて、信じることの難しさと尊さを優しく包み込むような温かい読後感でした。
この短編がもっと光にあたってほしいと、心から願っています。