夏の揺らぎを映す物語の構成が際立って美しく、深く胸に迫りました。
- ★★★ Excellent!!!
日常に溶け込んでいたアゲハ蝶というモチーフが、中盤で命を賭した身代わりとなり、終盤で父の愛情の象徴へと結び直されていく流れが見事です。
その象徴性を決定づけたのが、お父様が最期に遺した蝶の折り紙という伏線回収で、喉の奥が熱くなるような感動を覚えました。
単なるオカルトではなく、後悔を抱えた主人公が父の愛に気づき、前を向くまでの「救済の物語」として完成していると感じます。
ラストの「今日も絶好調」という洒落めいた言葉には、お父様への信頼と主人公の晴れやかな決意が凝縮され、読後には澄んだ風が通り抜けるような爽やかさが残りました。