星暦二〇〇四年

@Tasuku0208

第1話 ブーケ

ブーケを受け取ったことがある。

「目の前の男は考えたんのかな」

 見知らぬ少年が立っている。

 ブーケを抱え目の前の石墓に向かってこう、熱弁をする。

「そうだね」

 考えることが増えていく。

「僕はどうなるかなって」

 笑っていた彼。

 シスターが来た。

 この国はまたも抑止力に止められる形で、平和になると気づいた。

「平和になってもお父ちゃんがね」


「会いたかったぞ!ヒューイ」


 墓から男が出てきた。


 エピソード一


 トドロ島。


「アーメン」

 今夜も始まった回想話。

 シスターさんもこう言う。

「生き返ったことなんて、たくさんあるのですよ」

 別に不思議な事でもないらしい。

 ゆっくりとお辞儀をする。

「楽しい話してみてください」

 シスターさんはゆっくりとした口調でつぶやいた。

「お父さん、生きていたの」

「そうだよヒューイ」


「これは大変なことに」

 死者代行人が遠目から言った。


 こんなことになるのなら、ゆっくり生きていけばいい。

 二人はそんなことを話したことがある。

 不死身の男が、墓地に埋葬されるようになって最後の1年。

人類は死人もできなくなった。

楽しいのは、その後の報酬だと、死者代行人の男は言っている。

「これでもう、悲しい世界はできない」

 海岸を見渡しながら、進んでいく。

 自分の情報サイトにそう書き込んでいた。


「ヒューイ!」

 人類は海岸にたどり着いたその時から彼を待っているかのようだった。

「ヒューイ!呼び出しだ」

「なんだ、ドーマ」

「死刑が免れた」

「誰の」

「メイソさん」

 んなことはあるかと、新聞紙をもらう。

 お父さんの真似をしても世界は良くはならない。

そうなのだ人類は千年も生きれるようになった。

 そして、死刑がなくなったかわりに機械が、人間を調和していった。

 それがどんなに救われた人間たちがいたか。

「絵空事みたいな世界になった」

「いい世界ね」

「死刑がどれだけ大変なことだったのか、トミーを受けた被験者が死刑ボタンを押す仕事だったんだ」

「トミーとは」

「トミー・ジョンソン手術」

「そんな昔話」

「知っていないとは言い渡せない」

 被害者が押すということらしい。

 メイソさんとの電話を消す。


 俺達は生き続ける。

たとえ、どんなことがあろうとも。

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