『詞(1)』その1

■男性側の詞


白堊(はくあ)の雪と霧に包まれ隠された

 神秘の存在

悪鬼に負けず、挫けない強き御方

いつか逢えると苦々しい望みと

 永久(とわ)の火を我が心に灯し、生きて往く

――必ず、生きて君を擁く

 恋い焦がれる我が妻よ

我が魂の欠片は、天ノ雷として矢となりて、

神蟲に落ち宿り、狛(こま)となる

 我が妻を護る仁蟲を創るため

神よ、絶え間ない雨田(あめだ)降りを与え給え

 幾千年も、我が妻を夫として護り続ける



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