小話には紅茶を添えて
茉由梨
① 小話には紅茶を添えて
話があると言っていた
今までの日々を思い出してみる
紅茶を添えた
思い出なんて角砂糖で消してみる
赤みが白身にかわる
心に滲みた熱さは涙を添えた
いつからだろう
忘れたんだよ
いつも当たり前の事を
僕は今では
忘れたんだよ
無様だよね
何も覚えてないんだ
もう何も
話が終わった
早々に席を立った
見渡した時にはいなかったから
紅茶を添えた
深いところは甘みで消したい
温かさは冷めてしまったのかな
口に触れたら思い出せるのかな
昔だったかな
覚えてたのかな
あの日の景色なんて
覚えてたのかな
あなたは僕にね
何を残したかったのかな
あくる日に
何かを残した
君は僕にね
机の上に
紅茶を添えた
今日も僕は
砂糖を入れた
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