第19話 敵勢力

「毒持ちで、液状化する技を持っています」

「わかった」


毒持ちとは厄介だ。

かといって遠距離での攻撃はすぐに見切られて液状化される。

近接でとにかく高速で切り刻む。これがいい。


剣を構える。

マテルもう槍を構えた。


「行くぞ」


血液加速ッ!


バビュンッ!


接近。


ジャジャジャッ


切り刻むが相手には一切のダメージは入らない。

これが液状化か。


「フフフッ!」


自身を液体化。

共にそれを飛ばして来る。


トッ


それを避ける。


さぁ、注目は完全にこちらに向けたぞ。

敵の背後にマテルが迫る。


ドドドドドドドドドドッ!


敵の意識外からの攻撃。


「ッ!」


相手は怯み、少しダメージを受ける。


バビュンッ!


共に俺も接近。


「空間斬」


吸血鬼を切り裂く。


「……いない?」


「先輩ッ!後ろ!」


完全に液体となり、俺の背後に回り込んだかッ


すぐさま振り向き切り刻む。


「ッ!」


そしてその液体が皮膚に付着した。


「ハハハッ!お前も毒で苦しみやがれ!」







……?


「え?」

「空間斬」


ズバッ


相手は攻撃を避けて俺との間を開ける。


「ビユマさん。大丈夫なんですか?」

「あぁ……というか毒が付着していなかったのかも知れない」

「え……でも今」


吸血鬼は驚いた様に俺を見つめる。


「テメッ!その毒は人間の致死量の約100倍だぞ!少しでも付着すれば……」

「100倍?あぁそれなら俺には効果がないな」

「へ?」

「いつも毒の耐性をつける為に200倍程で慣れてるから」


となると、相手の毒に怯む必要はない。


「流石です!」


よし。

なら後は倒す方法だが……


「マテル、核は?」

「わかりません」


か……相手の動きも速いしどうしたものか。


「糞ッ!とにかく槍使いをやってやる!」


またもや全体を液体化。

瞬間移動で背後に回る。


「締めたッ!」


咄嗟に俺は左手を切り血を流出。

途端に液体に投げつけた。


ポチャン


「血界」


そして丸い球体が生成される。

液体は血界に閉じ込められる。

固体化しようとするものの、防がれてできない。


「ありがとうございます」


その時間にマテルは避ける。

そしてようやく吸血鬼は元の姿を取り戻した。


「フーッ!」


と怒りを露わにしてこちらを睨む。


「テメェら……本気で潰してやる」


瞬間、水が膨張。

そして部屋全体が水で埋められようとする。


途端に結界をマテルに貼る。

勿論、この液体に毒が含まれている為だ。


「ふふふ……いくら貴様といえど、水中の戦いとなれば何もできまい」


ババババババババババッ!


水中を高速で泳ぎ回る敵。


バビュンッ!


さらに加速をかけ、俺に向かって来る。

敵はフェイントをかけて旋回。俺の首元を貫通した。


「あ?」


そして吸血鬼はすぐに腕を抜こうとするものの、中々抜けない。


「血液硬化」


もっと強める。







空間斬ッ!





ズザッ



ゴオオオオオオオオオオッ!!!



吸血鬼は不可避の攻撃を喰らう。

水は斬撃によって生まれた穴によって出ていく。


「ハハハ……しかしこれでも俺は倒れな




ズバッ


「へ?いつの間に後ろに……」









ズバズバズバズバズバズバッッッ!!


俺は剣を手に吸収する。



ドサッ


そして絶命して倒れた。


「一体何を……」


血界内でハテナマークを浮かべるマテル。


「ただ全身を高速で切り裂いただけだ」

「……ッ!見えなかったです」


いつもは強さ重視であるが、今回は速さ重視。

敵は防御力が皆無。それで今回の決断に至った。


「さぁ出よう。多分この町にまだ公爵が……」


ッ!?


「血斬」


血の斬撃の接近。

咄嗟に俺とマテルは頭を下げる。


「チッ!」




ヴイイイイイイイイイイイインッ!


「血波」




ドゴオオオオオオオオオッ!


しゃがんだ俺達を血の竜巻が襲う。

旅館は破壊され尽くした。




……


「無事か」

「はい。なんとか避けられました」


2人の人影。

マークに見覚えがある。反人類組織だ。


「テメェらはここで処す」



トッ


崩壊する旅館。


もう1人、そこに影が迫る。


カキンッ!


攻撃に合わせて剣で防御する。

短剣使いだ。


「ははッ!」


カキンッ!キンキンキンキン!


剣同士がぶつかり合う。


「ッ!?」


戦闘中、次は5人が一斉に襲って来る。


ピッ


指を切り血を出す。

すぐさまその血を拡散。敵に付着させる。


「なッ!」

「硬直」


技の発動。

人間である為か3秒程度は止まる。


「いける」


バシュッ!バシュバシュバシュバシュバシュッ!


そしてその場にいた6人の首を切り裂く。


「……」


それでも彼らは襲って来る。

通常の狩り人ならここで死ぬ。

コイツらは普通より多くの血を吸収して吸血鬼に限りなく近づいている存在である様だ。


「殺すゥゥゥ!」


しかし、方向を感じられないのか攻撃がバラバラだ。


「空間斬」


ズザッ!


全員が重なった所で6人同時に心臓を断ち切る。

ようやく絶命した。



「!」


上空にはチャージを終えたであろう男が1人。血波を打とうとしている。


「クモ」


途端に腕の一部を破裂。

血管を伸ばして敵の足に絡ませる。


「フンッ!」


ドゴオオッ!



そのまま地面に叩きつけた。


ガガガガガガガッ!


標準がずれて波動は別の仲間の場所へと向かう。


「助けッ!」


ドゴオオオオオオオオオッ!


これで合計11人。

この血波使いも消すか。


「血斬ッ!」


トッ


咄嗟の判断で避ける。

また敵が来た様だ。


「殺すッ!」


と涙ぐみながらに言うが……そっちが仕掛けてきたんだからな?


「血斬血斬血斬!ケツザーーーーンッ!!!」


4連撃。


「血液加速」


タタタタタタッ!


足を高速で動かして避ける。


「なっ」


そして刃を首に当てた。


ザッ


絶命。


ギュイイイイイイイインッ!


「ッ」




ドゴオオオオッ!


迫る血の竜巻。



……


「空間斬」


バッ!


竜巻が切断。


シュッ!


次の瞬間には血波使いも切断し絶命す。


これにて13名。合計50ほどの数が見えたので半分として残り12か。


「あの男に戦力を注げッ!」


迫り来る敵。


「透明」

「消えッ」


バシュバシュッ!


合計20人。残り5人。


「うがァァァァ!」


巨大な刃が迫る。


「人形」


トッ


「よっ」

「は?なんでここに?」


ドゴオオオオッ!


吹き飛ばして絶命させる。


「ころすううううう!」


「飛行」


翼を広げて強い風を当てる。


敵は吹き飛び宙に浮く。


バサッ

トッ


上空に舞い上がる。


「チェックメイトだ」


ザザザザザザザッ!!


飛び回り、宙に浮く敵5人を討伐。

これで26だ。


ズザザザザザッ!


「悪かったァ!」


ズザッ


残りの24名もちょうど、終わった様だ。

マテルが近づいて来て褒めて欲しそうに見る。


「流石だな!」

「はい!」


次の襲撃が来るかも知れない……


「とにかく、今回の侯爵はお前が食え」

「いいんですか先輩?」

「あぁ、俺はいらん。全部吸収して体力を回復しろ」


吸収し終えたのを見て、また話しかける。


「急な襲撃でしたね。グルでしょうか?」

「あぁ、これで終わるとは到底思わんがな」


「「ッ!?」」


突如迫る氷を避ける。


吸血鬼……色は?


「青、侯爵かよ……」












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