第5話 鬼ごっこ(ガチ)
硬直化が解ける。
すぐさま俺はリイを右腕で抱えて走る。
「血液硬化!」
ドシンッ!
窓を破り、10階から飛び降りて着地する。
血液硬化。
血液を固める事で防御力を高める技だ。
バキッ!バシュッ!
そして着地した反動を使い加速する。
「待ちやがれ」
彼も同様、血液硬化を行う事で着地して追いかける。
なるべく安全に済ます為に人質を取る。
住宅街へ逃げ込めば流石に彼も攻撃を加える事は……
キュイーンッ!
「ウッソだろ!」
「血の銃弾」
住宅街へ向けて銃弾が打ち込まれる。
例えリイを無視した奴らとはいえ、これとはまた別問題だ。
左手の人差し指にはまっている指輪をスライドさせて刃を出す。
そして掌をその刃で切り刻んだ。
そして血は飛び出す。
「創造」
そうして飛び出した血は剣を創造する。
「行けるか?」
カキンカキンカキン!キンキンキンキン!
銃弾を全て弾き切る。
バシュッ!
その間に、男は距離を詰めている。
バシュッ!
男は剣を回し、俺の首に食い込ませる。
刺さった刃は勢いよく内部へ侵攻していく。
「終わりだ!」
「血液硬化!」
その場での血液硬化により、刃は止まる。
「血液加速ッ!」
足は赤く光り鼓動は早くなる。
「飛んでけ」
ドゴッ!
俺の足は男の腹に食い込む。
「がッ!」
白目を剥いて飛んでいった。
すぐさま逃げる。
タタッ!タタタッ!
屋根を飛び登り屋根を伝って加速する。
ふと、後ろを見るとそこには血の球体が浮いている。
「キュイ!」
「分かってる。破壊したら爆破する技だ」
上の位を持つ吸血鬼は必ずしも自身の技を持っている。
人間はその吸血鬼を倒し血を吸い込むと、その技を使えるようになってしまうのだ。
俺がキュイちゃんとの感覚や超音波を感じ取れるのも吸血鬼の技である。
「クモ」
左手の破裂と共に、血管が飛び出す。
そしてその血管は伸びていく。
クルクルクルクル!
そして伸びた血管は球に巻きつく。
すぐさま上空へ投げ捨てた。
この技クモは、相手にほとんどの衝撃を与えずに使える技で伯爵級撃破の時に獲得した。
「これぐらいなら良しだろう」
血管を戻し左手を再生。
そして銃を創造する。
ズドンッ!
瞬間、その玉を撃ち抜いた。
ドドドドドドドドッ!
上空で玉は大きな爆発を起こす。
「なんだなんだ?」
住民の注目は集まるものの、被害は出ていない。
街の外が見えた。
ギュイーーーーン!
足はもっと赤く発光する。
「え?」
ビュンッ!
そして勢いよく門の外へと飛び出た。
追ってきていた男は町の門で止まる。
昼であろうと、守りの要である者が町の外へ出る事は許されない。
さぁ……どうする?
「!?」
タッ
一瞬迷ったものの、男は堂々と門を飛び出て地面に着地する。
「それこそ面倒な事になるよ」
「安心しろ。お前を捕まえれば全てチャラになるさ」
なるべく安全に済ませたかったが……
リイを地面に置き、自身の血を流す。
広がったと思えば、そこから透明の球体が広がりリイを囲む。
「血界」
これによりリイの安全は保証された。
これで存分に戦える。
「グッ……なぜ動かんのだッ!」
と睨みつける男。
「硬直」自分の血を受けた物は少しの間動けなくなる。
特に相手が人間なら尚更だ。
ようやく体が解放される。
「お前、何処の狩人だ?技の習得量から見てもテメェ……相当名の知れる奴だろ?」
「さぁね」
「とにかく面倒臭ェから早く捕まってくれや!」
男は掌を傷つけて剣を創造する。
同様、俺も剣を創造する。
バシュッ!
男は低姿勢で俺に急接近。
そして飛び上がり、俺の剣を弾く。
「!?」
だが、俺にはもう片方の手が残っている。
左手で銃を構えた。
ズドンッ!
「ガッ!」
反応が遅れ、男は外傷を負う。
「ハアアアアアッ!」
負った男の傷口から触手が飛び出す。
「ブラッドスラッシュ!」
ヌルン!
斬撃は謎の滑りにより軌道をずらされる。
「技かッ!」
しかも速い。
剣を当てても滑りによりずらされる。
「アガッ!」
そして触手により俺はガチガチに固められた。
「ハハハ!貴様もこれで終わりだ!」
光った腕で刀を持ち、首元に刃を当てる。
今度は勢いがある。
バシュッ!
「ハハハ!」
そして首は掻き切られる。
体の感覚がない為、技も何も出せない。
「死ね」
そして男は心臓部分に突き刺した。
「あ?」
だが、刺した瞬間、体は急激に液体と化し、ドロリと地面に落ちる。
「なっ……なんだこれは?」
「何って……血の人形だよ」
振り向く男。
そこには俺の顔がある。
「え……」
ザシュザシュザシュザシュ!
そして四肢を全て切り落とす。
「フーッ!」
男は冷静に止血をしようと試みたができない。
「!?」
切り口には謎の血の刃が喰い込んでいる。
「お前……どれだけの技をォォォッ!」
そして首を切り落とした。
流石にコイツを殺すと街が危険に侵される可能性がある。
だからこそ3時間ぐらいで再生できる様にしてある。
「グアアアアアアッ!」
余程悔しかったのか荒げた声を出す。
「やられる気持ちが理解できたか?」
とだけ告げて俺はリイを担ぎ森へと消えていった。
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