第4話 話し合い
エレベーターで10Fへと向かう。
入っている中で、ようやく整理がついたのかリイが話しかけてきた。
「あの……すみません」
「こっちこそ何も言わずにごめん。結構君の評判が下がったかも……」
「いえいえ……元々、私は無能なので評判なんて最下層ですし。そして……
何かこう……スッゴイ、カイカンが得られたんです」
少し寒気がする。
もう少し簡単に済ましたほうがよかったかもしれないと後悔する。
「そうか……」
「?」
だが、俺を見つめる目は純粋だ。自身はまだ気づいていないのだろう。
……その純粋な目の中に、ドス黒いものが蠢き始めている事を。
ピンッ!
エレベーターは音を立てて、目的地に着いた事を知らせる。
「いこうか」
「はい!」
直談判をするというのに、その心には緊張というものが無かった。
---
面談室で待っていると、
トントントン
とドアを叩く音が響いて、ドアがゆっくりと開く。
そこには髭を生やした男がいた。
「あーっ君達が例の異常者ね」
彼は耳をほじくり耳垢を取り出す。
そして地面に放り投げた。
「じゃあ話そうか」
机に膝をついて、体重を乗せる。
「直談判とは……何が不遇なんだい?」
「私が入りたてなのにも関わらず外に出されているからです」
「ほぇ……そっか」
と興味のない様子。
こりゃぁ厳しい。
相手は鼻をほじくり、次は鼻糞を取り出して捨てた。
俺の腕は既に切り落としている。
敵は少々勘が良さそうだから再生することも分かっているだろう。
となると、先程の狂った作戦は効かない。
「あの……真剣な話をしているんですけど」
とリイが口を開く。
「え〜僕からしてみればどうでもいい話だから真剣な話とかないのよ。別に君がどっかでのたれ死のうと英雄になろうと、僕が楽だったらそれで良い」
彼は欠伸をして続ける。
「話し合いとか正直どうでも良い。早く終わらせたいんだよね」
「では、街の中で働く事を許して頂きたいです」
「それはもっと面倒い。だってここの受付とか狩人の反感を食らうからね」
リイはすぐに質問をする。
「貴方の意見としてはどうなんですか?」
「僕?僕はすぐさま君に出ていって欲しい。正直悩みの種だからさぁ」
これは終わりそうな雰囲気だ。
サァ、もう一度始めようか……次は無気力な男と会話する方法を!
バンッ!
「!」
「!?」
瞬間、リイは強く机を叩いた。
「真剣に考えてください」
「面倒臭いし……もう帰りな」
彼は目を細めた。
「それ以上僕に面倒な目に合わせようとするなら……ヤルヨ?」
「……」
「そうだ!君をここで殺せば全て済むね!」
と血の剣を作り出し首元へと持っていく。
俺は切り落とした腕をすぐさま再生して剣を止めた。
「やっぱり君、中々の狩人でしょ?」
おいおい……まさか続けるつもりかッ!
「ピーちゃん!」
パリンッ!
窓をつき破りコウモリは部屋の内部へと侵入する。
ウィーン!!
「!?!?」
その瞬間、出した超音波により男の動きは硬直化される。
「リイどうする!」
「逃げましょう」
「……この終わり方だとお前、街を追放になるぞ」
「大丈夫です。この街に思い入れも糞もありませんから」
街へ行く道中。
彼女は告げていた。
街の全員が自信を笑い、誰も助けようともしてくれなかったと。
時には自身のストレス発散の為に暴力を加えてきた時もあったと言う。
「じゃあやるぞ」
「はい!」
どちみち俺も指名手配だ!
すぐさまリイを姫様抱っこで持ち上げ、念の為首元を叩き気絶させる。
「ピーちゃん、逃げるぞ」
「ピィーーーー!」
もうすぐ硬直化が解ける!
バキッ!
「許さん!捕まえてやる!」
鬼ごっこ(ガチ)が始まる。
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