第9話【体育祭】
あの後、2人のレベルを下げたり、ダンジョン攻略の報酬の話をしたりした。
曽我さんは支部長として色々激しく活動は出来ないが、それでも成長の機会は作れると喜んでいたし、探索に出なくても俺の様にポーション作成でレベルを上げられることを教えておいたからしばらくはポーション作成用のSLP取得を目標として活動するようだ。
百瀬さんは定期的に俺にレベルを下げさせて高速でレベル上げを行っている。
そのおかげで俺も勉強や他の作業に集中しながらステータスアップが出来ている。
特に5月中旬に差し掛かり、来週から体育祭があるので学校の方も忙しい。
まぁ、探索者は競技に参加できないので競技系の練習とかは無いからその辺りは良いんだが、こういう問題が出てくるんだよな。
「おいおい。夏目、お前も探索者になったんだな! お前みたいなひょろっこい優等生君がレベル上げ出来てんのかぁ? どうせ、資格だけ取って満足してんだろ? 一般人と大差ないのに探索者枠で競技除外されて恥かかなくてよかったなぁ」
はぁ…。
めんどくさい。
絶賛俺に絡んでて来ているのは俺より1ヵ月程早く探索者登録した
高校卒業後専業探索者になって活躍すると言ってまともに授業を受けない不良タイプの生徒だな。
普段は絡むことがないんだが、競技決めの際に俺が探索者になったので除外してくれと伝えたのを聞いて態々絡んできたようだ。
「緒方! 座りなさい」
「あぁ? 別に俺は競技ウケねぇから関係ないだろ?」
「緒方!!」
「あぁ!」
「っ!?」
教師は一般人だ。
教師がどれだけ強く言おうが緒方が睨むだけでどうしても竦んでしまう。
ただ、一般人に威嚇するなんて探索者の風上にも置けない。
どうせ目立つんだから諦めるか。
「緒方、先生を威圧するな」
「あぁ? 威圧してねぇよ。ただ、見ただけだろ? 雑魚過ぎて勝手にビビってるだけじゃねぇか」
「そうか」
俺は最近取得したスキルを緒方を対象にして使う。
「ひっ!?」
緒方は情けない声と共に飛び上がって壁へとぶつかる。
俺がやったのは威圧スキル。
普通に威圧するのとは違いスキルを利用したこれは魔力を込めれば込めた分だけ相手に恐怖を与えられる。
相応の魔力量が無いと使えないが、魔力量の低い相手なら簡単に無効化できる非常に便利なスキルとして教えて貰った。
「て、てめぇ!! 何しやがった!!!」
「緒方、ここは教室だ。一般人が多い場所での戦闘は探索法違反だ。大人しくしておけ」
「っ!! お、おれは!! レベル12なんだぞ!! 【
周囲から悲鳴が上がる。
はぁ、ちゃんと止めたのに何故スキルまで使うのか。
今の俺からすればレベル12の拳なんて魔力装甲で受けたら相手が怪我してしまうレベルの攻撃だ。
ちゃんと手加減して受け止めてあげないといけないという面倒な攻撃だな。
「な、なんなんだよ!!! お前、最近探索者になったばかりだろうが!!」
「そうだが、才能があっただけだよ」
後ろ盾を得た以上隠す必要もない。
それに、百瀬さんもレベル上げと並行して何故か俺にストーキングしていてなんか常に呼んだら現れるんだよな…。
忍者すげぇ…。
ちなみに俺の現状のステータスはこんな感じだ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
〇名前:
〇年齢:15
〇総合レベル:4
〇必要経験値:800
〇現在ジョブ:【上級剣士Lv6】
〇過去ジョブ:【戦士Lv10】【剣士Lv10】
〇ステータス
・体力:1973(+5102)
・魔力:3007(+5017)
・筋力:1868(+3102)
・知力:1803(+3000)
・功力:2112(+3017)
・SLP:0(-873)
・STP:0(-19000)
〇固有スキル
【豊穣の儀式】【
〇職業スキル
【戦士の心得Lv10】【剣士の心得Lv5】
〇武術スキル
【上級剣術Lv10】【上級剣技Lv10】【上級体術Lv10】【上級体技Lv10】【疾走Lv6】【加速Lv10】【上級双剣術Lv3】【上級双剣技Lv2】【魔法剣術Lv10】【魔法剣技Lv10】
〇魔法スキル
【身体強化Lv10】【魔力装甲Lv10】【水属性魔法Lv10】【火属性魔法Lv10】【影属性魔法Lv10】【闇属性魔法Lv10】
〇生産スキル
【上級錬金術Lv4】【調合Lv10】【調薬Lv10】
〇補助スキル
【魔力精密操作Lv10】【気配察知Lv10】【危険感知Lv10】【回避Lv10】【見切りLv10】【隠密Lv10】【魔力高速回復Lv5】【物品鑑定Lv3】【運搬Lv6】【怪力Lv10】【疾駆Lv10】【屈強Lv10】【叡智Lv1】【経験値取得量上昇(大)】【魔力消費量減少(中)】【取得経験値倍化】
〇耐性スキル
【苦痛半減Lv10】【刺突半減Lv10】【打撃半減Lv10】【睡魔半減Lv10】【魅了半減Lv10】【呪半減Lv10】
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
百瀬さん、曽我さん2人の高レベル者のレベルダウンにより大量のSLPとSTPを手に入れた事でそれ大盤振る舞いした。
新規スキルの取得はもちろんの事、既存スキルも大半がレベルアップして、進化したスキルも多い。
曽我さん曰く、上級上位と同等の強さはあるらしい。
さっさと最上級、百瀬さんくらい強くならないと…。
「おい! 何の騒ぎだ!!」
「げっ! ゴリ山!!」
緒方が騒ぎを聞きつけて入ってきた先生を見て嫌悪を示す。
ゴリ山と呼ばれたのは大山先生で、生徒指導であり探索者だ。
レベルはそれほど高くないが、それでも登録したての緒方では叶う相手じゃない。
「緒方!! またお前か!」
逃げようとした緒方を大山先生が連行していく。
これで、静かになるだろう。
「す、すげぇ! 夏目って強いんだな!!」
「大丈夫? 怪我してない?」
「え?」
緒方との圧倒的差を見せつけたつもりだったから怯えられるか避けられると思ったんだが…。
何故か、俺の周りに人だかりができた。
どうしたものか…。
振り払う事は出来るが、怪我をさせるとまずいからなぁ。
「こら! 皆落ち着きなさいよ!」
「かいちょ~、ちょっとくらい良いじゃん!」
「そうだそうだ! 会長たちはいつも一緒だけど俺達は話す機会少ないんだから!」
「いつも忙しそうだもんねぇ」
あれ?
俺ってそういう印象だったのか?
俺が周りとうまくコミュニケーションを取れないせいで友達が出来ないと思っていたが、俺がコミュニケーションを取らなかったのが問題だったのか?
知らなかった…。
「い、今はそういうの関係ないでしょ! 競技決めするよ!!」
「「はーい」」
そして、昼休み屋上で3人集まった。
「さっきはありがとな」
「別にいいわよ。あれくらい」
「ははは、人気者だったなぁ」
「あんな風になるとは予想外だった」
「お前は昔から他人の目を気にしなさすぎ何だよ」
そうだろうか?
ちゃんと自己評価しているつもりなんだが…。
「それにしてもさすがだな。レベル12の緒方をあんな一方的に叩きのめすなんて」
「中級探索者レベルって聞いていたけど冷や冷やしたわよ」
「すまんすまん。言ってなかったな。昨日中級探索者になったんだ」
「「…は?」」
今日言うつもりだったからまだ何の連絡もしてなかったせいで心配をかけてしまったな。
どうせ昼合うしそこで良いやと思っていたが連絡くらいした方が良かったか。
俺のカミングアウトに2人がはもるくらいには驚いている。
「いや、マジかお前!!」
「まだ、探索者になって2週間よね?」
「それに後ろ盾も得たからな」
「…なるほど、だからあんな堂々と緒方とバトったのか」
バトルって程じゃないんだが…。
単純にあそこで俺が何もしなければ影に居そうな百瀬さんが何かしでかしそうで怖かったんだよな。
あの人、主を侮辱するのは許さんとか言って攻撃していく過激派だから…。
「まぁ、それは良くてだな。改めて2人に言いたいことがあったんだ」
「何?」
「なんだ?」
「俺はクランを作るつもりだ。俺のクランに入ってくれないか。雅の方はそもそも探索者になれるか分からない「なるから問題ないわ!!」…そうか。」
「お前、改まって言う事がそんな事かよ。入るに決まってんだろ。てか俺らが居れてくれって頼む方だろ? なんでお前が頼んでくんだよ」
雅が食い気味に了承し、
ちょっと拒絶されるんじゃないかと怖かったが受け入れられて良かった…。
俺の幼馴染という事で俺が目立てば目立つほどこの2人に危険が及ぶ可能性がある。
なら、距離を離すよりも最初から仲間として迎え入れて一緒にやっていく方が良い。
それに、2人なら信頼できるしな。
曽我さんや百瀬さんが信頼できない訳じゃないし、足りていない訳じゃないがやはり信頼できる人は多い方が良い。
「修哉は体育祭が終わって期末テストが終われば探索者として活動できるはずだから俺はそれまでにクランを作っておく。2人以外にも仲間がいるからそれはその時に紹介するよ」
「わかった」
「うん。でも、もう仲間がいるんだね。女の人じゃないよね?」
雅が顔を近づけてハイライトの無い目でこちらを見てくる。
これは反応したらダメな奴だ。
「……探索者学校に通うためには期末テストの結果も大事だからちゃんと勉強もしろよ」
「はは、雅。悪いけど教えてくれるか?」
「はぁ…わかったわ」
修哉が察して雅に話を振ってくれて助かった。
雅は大きなため息をして、修哉に勉強を教えると了承した。
「
「任せなさい。私を誰だと思ってるの! 学年2位よ! 修哉よりも筆記は余裕だわ!」
まぁ、それはそうだな。
修哉は運動神経抜群だが勉強は真ん中より少し上くらいだ。
実技で相当頑張らないといけないレベルなので、少しでも筆記の実力が上がればもう少し楽になるはずだ。
雅はその逆だな。
筆記は得意だけど運動がからっきしだから実技をどうするかって感じだ。
まぁ、雅の場合はその前にご両親の承諾を得る必要があるんだけどね…。
「…今度雅の家に挨拶に行っても良いか?」
「あ、あいさつ!?」
「…あぁ、探索者学校に通うって話の奴?」
「そうだ」
「そ、そっちね!!」
うん?
そっち以外何かあるのか?
俺が首を傾げると雅が俺の肩を叩きながら何でもないと言う。
「問題ないわ! いつでも大丈夫よ」
「わかった。今度伺わせてもらうよ」
俺の固有スキルの話も必要だろうし防諜を考えないとだな。
百瀬さんに聞くよりは曽我さんの方が確実だろうな。
一緒に居て分かった事だがあの人だいぶヤバい。
徹夜で狩りするし、マジでどこにでもついてくる。
恐らく忍術の応用なんだろうけど、影からぬっと出てくるのはマジで怖いから辞めてほしい。
夜トイレに行こうとして出てきたときはちびるかと思った。
それに、だいぶ脳筋だからな。
とりあえず敵は殺すか叩きのめすみたいな野蛮な考え方だから曽我さんがセーブしてくれてないと何をしでかすか…。
なんで仲間の事でこんなに悩まなければならないんだろうか…。
いや、これがリーダーになるって事なのかな。
これからは自分だけじゃなくて仲間の事も考えないと…。
皆の命を預かる立場になるって事だもんな。
そうして、翌日から本格的に体育祭の準備が始まった。
俺は競技に参加しない分準備等に参加したが、それでも練習等がない分時間に余裕が出来たので、百瀬さんに頼んで訓練を付けてもらいつつレベルも上げていった。
そうして、体育祭当日。
俺はやる事が無いが、修哉はまだ探索者じゃないので競技に出ており持ち前の運動神経を活かして大活躍していた。
イケメンだから声援が凄いんだ。
雅は生徒会長として運営本部で色々していたようで競技は絶対参加のクラス対抗リレーだけだった。
まぁ、結果は言わないで置くが、雅にしては頑張った方だと思う。
ただ、あいつが探索者になるとしたらまずは体力面を鍛えないとなと思った。
さすがに100mでバテるのは話にならないと思う。
レベルを捧げし者、最強へと至る道 奈桐零-なきりれい @Nakiri_Zero
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