プロローグから第1話にかけての、主人公・靱と幼馴染・白波の掛け合いが読んでいてとても気持ちいい。
「靱がどんなキャラ作るか興味ある」「普通でいくよ」「その普通が一番怪しいんだよなぁ」というやりとりに、長年の関係性が自然に滲み出ている。説明セリフを使わずに二人の親密さを伝える筆力が光る。
ジョブ選択の場面も面白い。白波に「剣士か魔導士がおすすめ」と言われておきながら、一覧の一番下にひっそりある「錬金術師」のアイコンを見て「なんか、好きかも」と直感だけで選ぶ靱の感性が良い。さらにサブジョブも「どの職にも転向可能」という一文に惹かれて《冒険者》を選ぶ。「柔軟で自由で制限がない」という発想は、彼のキャラクターを端的に表している。
不遇職+サブジョブ不遇という二重苦スタートでありながら、主人公が全く悲観していないのが読んでいて清々しい。錬金術と冒険者の組み合わせがどんな化学反応を見せるのか、続きが楽しみだ。