トロッコ問題 あなたはどちらを選びますか?
欠陥品の磨き石 磨奇 未知
第1話 トロッコ問題とは何か…
「ここはどこなの?」
狭い箱庭に敷き詰めれた子供達が不安の声をあげる。
密室で動くスペースのない空間に敷き詰めたれた4人の 子供達はひどく動揺し身体中から汗が溢れ出ている。
子供達が酷く動揺していると目の前の壁が突然透け始める。
ガタガタガタと音を立てながらある風景が映し出される。
「え?
嘘だよね?
あれはうちの…」
一人の少女が小刻みに震えながら、指を指す。
そこには縄で体を縛られた人間が顔に涙を抱えながらこちらを見ていた。
「おい、
よく見てみろよ
あいつらの下に線路みたいなのが敷き詰められてないか?」
一人の少年がメガネを整えながら何か悟ったような目で震えながら言う。
ガタガタガタガタ
機械のような音がどんどんと近づいてくる。
縄で縛られていた集団が魚のようにその場で飛び跳ね始める。
「う〜… う〜…」
目を剥き出しにしながら必死に何かを訴えかける。
その時だった。
グシャッ
トロッコが後ろから集団に突撃する。
血飛沫をあげながら人間の部位が宙に舞う。
ドンッ!
人の肉片が狭い箱庭にぶつかった。
「誰か
助けて…
僕には無理だよ…」
先程とは違うメガネをかけていない小学生ぐらいの男の子が鼻水を垂らしながら喉から精一杯声を降り絞る。
ビビ
狭い密室に意味深に設置されていたテレビが起動する。
ビビビビと赤と青のランプを点滅させながらガタガタと画面が形成されていく。
【今からあなた達にはトロッコ問題に参加していただきます。
それぞれ二つのレールに人の集団が配置されています。
トロッコはどちらか一方にめがけて突進します。
あなた達はそのトロッコをどちらの集団に突進させるかを決めていただきます。
みんなの思いが一致した時 そこに付属されているレバーを下ろすと突進が完了します。
ただしトロッコが到達するまでにあなた達の思いが一致しなかった場合代わりにあなた達全員が死ぬことになります。
また特別ルールとして
自分の意思でレールの上の集団の人間と自分の位置を入れ替えることも可能です。
行える回数は一度きりです。
それではゲームを始めます。】
ガタガタガタガタ
トロッコが軋みながらゆっくりと進み始める。
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