カクヨム短歌賞1首部門 応募作品
平田花
カクヨム短歌賞1首部門 応募作品
薬を時間通りに飲めない人が見るアシカの素敵でうつくしい旋回
なんとなく不協和音に聞こえてくるカノンカノン距離があるのかも
クッキーの型抜きはたぶん煙突でありえないくらい小さなサンタ
慣れるまではしんどいけどね ALL KILL ゾンビは見知った顔から撃って
適切な恋でいたいと祈る手のやわらかく卵をとじてゆく
花束を きみが涙をぬぐうときのスピードで僕は死ぬ 花束を
言葉ってデジタルだからさみしくて波の切れ間にあなたがいれば
少しだけ眉をつりあげて描くときのどうしてあふれる涙のしろい
花器の水をかえてつめたく花びらが腐るにおいのその醜さよ
オクラを縦に割いてそれからにんげんのかたちがこわいいのちがこわい
知らない街を車窓から見る 夕焼けに頬を灼かれてチャペルのくらさ
ウイスキーボンボンくちに含みつつわたしはばかになったとおもう
わたしだけ見てわたしだけを追って ゴースト、わたしのひまわりになって
昼下がり楽しくなってキル ミー チョコケーキが汚くなっちゃう
바다のなか파도が揺れてる バタ足でぱしゃぱしゃ파도を蹴ってすすんで
turrisはなによりも塔らしくありバベルはあんなに高かったのに
歯医者にてレントゲンを撮る フィルムを噛む あなたの爪のうすさを思う
バニララテ 8番出口にきみがいる 両目ウインクして通るから
カクヨム短歌賞1首部門 応募作品 平田花 @nononi7
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