短歌集

氷野 陽馬

~2025年8月

ゆうだちに

かがやくにじと

なくかえる

あなたの「でも」に

とらわれたまま


渡り鳥

忙しない蝉

香る風

静かな夕餉

小さないのち



思い出す

たびにぼやける

君の顔

されど孤独は

強まるばかり



ピン留めの

一番下の

アイコンに

未練を捨てて

切り出せたなら



街中の

黒い枝葉の

円柱を

幹と見違う

蝉の儚さ



二千日

君を想わぬ

夜はなく

君に焦がれぬ

昼もまたなし



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短歌集 氷野 陽馬 @JckdeIke1122

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