第4話窓の向こうの光

朝日が窓から差し込み、部屋の中を静かに照らす。

カーテンの隙間から入る光に胸の奥の化けの花が揺れる。まだ痛みの棘は鋭く孤独は消えない。けれど外の世界は少しずつ温かさをもたらしてくれることを僕は知っていた。スマホが振動する。「おはよう。昨日は大丈夫だった?」画面には、夕の名前が光る。

理解者の声が届くだけで胸が少し軽くなる。「うん、ありがとう。」文字を打つ手が震える。それでも誰かが自分の存在を認めてくれることは、痛みの中で、生きるちからになる。昼過ぎ、窓際に座り外を見つめる。学校には行けない。でも部屋の中でも自分のペースで生きることができる化けの花は、まだ痛みを抱えてるけど棘の隙間から光が差し込む瞬間を感じる。夕からのメッセージに応えながら僕は小さい息を整える。「進んで行くしかない」暗く冷たい世界の中で自分を捨てず化けの花として、生きる意思を胸に抱く。まだ歩みは遅くても窓の向こうの光を目指して、少しずつ進む。ー痛みも孤独も抱えながら、それでも化けの花は、咲き続ける。胸の奥の棘は鋭いままだけれど確かに光の中で光が差し込み、前に向く力を少しずつ取り戻してく。

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