異胎
葉月猫斗
プロローグ
忌々しい青い空と自身の肌を焼く光の塊が自分を見下している。
痛いのに。苦しいのに。周りを取り囲む人間達は一心不乱に何かを摘まんで、せっせと口の中に運んでいる。
あぁ、あれは自分の身体だ。人間達は自分を食べている。彼等の思考は飢えを満たせた喜びと、これで不満が解消出来る達成感で満たされていた。
どうして?どうしてこんなことをするの?
吹けば飛ぶようなか弱い生き物を憂いて助けてやったというのに。いつからか、感謝は当然となって、当然は不満となった。
挙句の果てにこんな事をしている。一体奴等は何を考えているんだ。
そうか、分かった。この土地の知的生命体はか弱き存在じゃない。自分の都合の為なら助けてくれていた者を騙す事すら、事実を歪ませる事すら厭わない醜悪な存在だ。
許さない。許さない。絶対に。
自分は残っている力を振り絞って、呪いを祈った。
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