くじ運のせいにゃ、絶対しねえ

一筆書き推敲無し太郎

第1話

俺は運が悪いらしい。バナナの皮で滑るなんて古典的な運の悪さではなく、ここ一番って時に二番以降になっちまうことだ。給食で余りがでて、一個しかないとき。リレーの選手の候補があと一人ってとき。行列のアイス屋に並んでいたら最後の1人の清算が前の方で終わってたとき。やりたくねえのに委員会の偉いポジションになったとき。運わりいなお前って罵られるけど、俺はもうそういう天命の元に生まれたんじゃないかって開き直ってる。こうなったらバナナの皮も滑ってみよかって思う位には諦めてる。でもおみくじだと大吉がでるんだ。不思議なもんでここ2年は連続で引いてんだ。どこに運使ってんだって思うけど、思わないようにしてる。また来年も大吉に巡り合うために、そのためだけに運が悪いんじゃないかって。結局は気の持ちようなんだけどさ。やっぱ、人生うまくいくわけじゃないけどそういう瞬間って楽しいからさ。俺の左手が引き寄せた大吉は神棚に飾りたいけど母さんから縁起でもないって苦情があったからやめといた。ここ最近だと運次第のことはやめとくことにしてる。だって運の乱数調整したら来年は何がでるか楽しみじゃん?ここ一番ってときは立候補しないでお零れにあずかれるときとか、漁夫の利ができるときにしておいてる。来年は何がでるかな。

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