上京五年生
さくらいたかよし
上京五年生
エアコンの下で見つめている天井 ぼーっとするにもお金がかかる
何もない毎日だけれどナレーションがついたら少し立派に見える
この街は背泳ぎだけで進みたい空だけ眺めて通り過ぎたい
寝るためと風呂入るためにある家で これも暮らしと呼べるだろうか
オブラートに包んで包みすぎてもう棘がひとつもなくなる言葉
パックごはんわざわざ茶碗に移し替え まともな人でいたいと思う
見送る側に立ってばかりの人生だここで暮らすとはそういうことだ
焼肉屋一人で行けるようになりいらない強さばかりが育つ
諦めるよりやり遂げたい重力に逆らう線香花火のしずく
夜夜夜 夜を乗り越えその先にちゃんと光が差しますように
上京五年生 さくらいたかよし @sakurai1280
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