気づきすぎた人の末路

一筆書き推敲無し太郎

第1話

知らねえ、人並みにやることやってるって。挨拶は欠かしてないって。無機質な人間って評価でいいって。興味ねえことに割く労力はねえって。こっちは善性に頼られるの嫌なんだよ。お人よしで利用されることにはもう飽き飽きしてんだって。上司のご機嫌取りも部下の育成も、もうやりたくねえ。掃除を自発的にやるとか、コーヒーの殻捨てとか、コピー紙・ティッシュ・トイレットペーパーの交換とかさ。なんでもやってたから職場で倒れたんだって医者に言われたんだよ。人が気づかないことに気づくまくった要らない才能を余す事なく搾取されたからだって。頑張り屋さんで幼稚園から通してこのザマだからね。懲りたよ。

ああ、封筒はそっちの棚の奥にあるよ。ん?社屋の清掃が行き届いてなかったよってか、やっとくよ。はっ、その手には乗らんぞ。知りたくない、興味ないって。知っちゃったけど、やらないって。やらないよ?でも気になるからな。部下に指示するより自分でやった方が早いんだよな。あー、俺がやるのか、これ。会社から俺の扱いが悪いって感じるのは倒れてからだな。お前がやるんだろ?って見られてる気がするなぁ。安く見られたもんだな。誰もやりたくないことってのは金出して解決しろよな。ラベルプリンターに追記するとか、清掃は各自で啓発のポスターを見るように喚起するとかさ。ああ、解決策が浮かぶってのが俺の気質なのか。これを利用されてたんだろうな。退職するにも倒れたときの迷惑料を払い切れてないって感じるうちはここに居るんだろうな。それまでまた献身的に過ごすのかなぁ。

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気づきすぎた人の末路 一筆書き推敲無し太郎 @botw_totk

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